[東京 29日 ロイター] – 高市早苗経済安全保障担当相は29日、機密情報の保持を巡り、アクセスを厳格にする「セキュリティー・クリアランス」(SC、適格性評価)制度について、今後確実に検討しなければならない課題だとの認識を示した。その上で、同制度が求められる分野の洗い出しや検証を行う意向を示した。

セキュリティー・クリアランスは、安全保障に関わる機密情報などを扱う関係者の適性を評価し、情報にアクセスする資格を与える制度。

個人の情報に対する調査を含むことになるため、高市経済安保相は「まず実際にクリアランスが求められる具体的な事例の把握と検証を早急に行っていきたい」との考えを述べた。対象になる分野の範囲や基準など「具体的な制度設計にはまだ至っていない」という。

民間企業の人材が対象になり得るため、個人のバックグラウンド調査をするということにどこまで理解が得られるか、「国民の理解も必要だ」とした。

関連法案の国会提出に関しては具体的なスケジュールに言及しなかったが、セキュリティー・クリアランスを法制上位置付けることは重要だとの意見を述べた。 

岸田文雄政権が重要政策と位置付ける経済安全保障推進法は5月に成立。ただ、同制度は盛り込まず、政府は今後の検討課題の1つとしていた。

また、経営再建策を検討している東芝については、「一般論として、東芝は原子力や防衛など国家安全保障にかかわる需要技術を保有する企業なので、関係する事業が維持・発展していくことが大切」との見解を示す一方、経済安保上の「心配ない状況であればありがたい」と述べるにとどめた。

ロイターなど報道各社のグループインタビューで語った。