- OPECプラス現行水準維持、中国で新型コロナ規制の緩和続く
- サマーズ氏の警告、FRBが憂慮する数字、インフレ率は5%へ
日本列島を熱狂の渦に巻き込んでいるサッカーのワールドカップ(W杯)。ただ、中東初の開催国カタールでは気温対策のため、日本対クロアチアなど決勝トーナメントの試合は日本時間未明の開催に。高気温はスタジアム建設に従事した出稼ぎ労働者の健康にも深刻な被害を与えたと懸念されています。異常な高温など過酷な労働環境にさらされ、腎臓疾患を抱えてカタールから帰国した労働者も多いと一部専門家は指摘。W杯の光と影が交錯します。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
現行水準維持
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は、現行の生産水準維持を決定。中国需要とロシアの供給を巡る不透明感で揺らぐ国際石油市場の動向を見極める考えだ。欧州連合(EU)によるロシア産原油の一部禁輸措置が5日に発効する一方、世界最大の石油輸入国である中国は新型コロナ規制措置を部分的に緩和しつつある。こうした情勢の変化で原油相場のボラティリティーは高まっている。
政策転換続く
中国の新型コロナ規制緩和の動きは上海にも拡大。上海市の発表によると、公共交通機関や屋外施設の利用でPCR検査義務付けを5日から撤廃する。ロックダウン(都市封鎖)に抗議するデモが広がった後で、当局は本格的な経済再開に向けて政策転換を進めている。北京や深圳、広州といった一級都市で過去数日に規制緩和の動きが続いていた。ゴールドマン・サックス・グループは「中国政府が出口を準備し、コロナ規制の経済的・社会的コストを最小限にしようと努力している明確な兆候と見ている」とした。
雪崩のように
サマーズ元米財務長官はインフレ圧力が引き続き強いため、米金融当局が市場の現在の予想を上回る利上げを実施する必要があるだろうと警告した。一方で、多くの米経済指標は金融当局の利上げの影響がこれまで限定的だと示唆しているが、変化は突然起きる傾向があるとも警告。「いったん否定的な状況に陥ると、雪崩の様相となる。ある時点でこうした事態が発生する現実のリスクがあると考える」と述べた。
憂慮すべき数字
11月の米雇用統計では、平均時給が前月比0.6%増と今年1月以来の大きな伸びを示し、非農業部門雇用者数も市場予想を上回る増加となった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先に、インフレ抑制には雇用市場の需給の緩みや企業の収益率鈍化が必要になるとの認識を示しており、こうした統計は懸念材料となる。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月の会合で0.5ポイントの利上げを実施した後、来年1月31日、2月1日両日の次回会合でも同じ幅で引き上げる必要が生じるかもしれない。
2%は過去の話
インフレショックの最悪期は脱したとの見方を背景に、米株式相場は過去1カ月で約10%上昇した。しかし、ストーンXファイナンシャルのグローバルマクロ戦略責任者ビンセント・デルアード氏は、インフレ率が近い将来に下がることはないとみている。金融当局の物価2%目標は「作られた数字」であり、その目標を簡単に達成できた3つの要因である安価な労働力、安価な商品、安価な資本はすでに失われたと同氏は述べた。
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