[ニューヨーク 6日 ロイター] – トランプ前米大統領の一族が運営するトランプ・オーガニゼーションの脱税疑惑などを巡る裁判で、ニューヨーク州裁判所の陪審は6日、同社が15年間にわたり税務当局を欺いていたとして有罪評決を下した。

トランプ氏自身は起訴されていないが、出馬を表明した2024年大統領選に向けて逆風となる可能性がある。

陪審は起訴内容の全てについてトランプ・オーガニゼーションを有罪とする評決を下した。同社には最大160万ドルの罰金が科される見込みで、具体的な金額は判事が後日決定する。量刑言い渡しは来年1月13日に設定された。

トランプ・オーガニゼーションは無罪を主張していた。

同社の弁護士は、控訴する方針だと記者団に述べた。

マンハッタン地区検察のブラッグ検事は評決について「非常に公正だ」と述べた。トランプ氏を起訴しなかったことを後悔しているかとの問いには答えなかった。ブラッグ氏は以前、トランプ氏に対する検察の捜査は継続中と述べている。

トランプ氏は声明で、評決に「失望している」と述べたが、今回の訴訟は「マンハッタンの魔女狩り」とも非難した。

トランプ・オーガニゼーションの規模を踏まえると、罰金が同社に重大な影響を与えるとはみられていないが、有罪評決を受けて銀行などが取引を敬遠する可能性もある。

裁判では、トランプ・オーガニゼーションが元最高財務責任者(CFO)のアレン・ワイセルバーグ被告らへの家賃や車などの手当を税務当局に報告しなかったほか、賞与を非社員報酬と偽って報告していたことなどが焦点となった。

8月に司法取引に応じて罪を認めたワイゼルバーグ被告は、検察側の証人として裁判で証言した。

トランプ・オーガニゼーションを巡っては、ニューヨーク州のジェームズ司法長官も金融詐欺で提訴している。

また米司法省は、トランプ氏による機密文書持ち出しや20年大統領選の結果を覆そうとした疑惑を捜査している。