[ワシントン 6日 ロイター] – 全米自動車労働組合(UAW)は6日、自動車メーカーに対し、中国の新疆ウイグル自治区にある全てのサプライチェーン(供給網)を他の場所に移動させるよう呼びかけた。同日公表された報告書で、ほぼ全ての主要メーカーが強制労働によって生産された製品を多く使っていることが示されたため。

報告書は英シェフィールド・ハラム大学の研究者らがまとめたもので、新疆ウイグル自治区で生産された鉄、アルミニウム、銅、バッテリー、電子製品などの部品について自動車業界の使用状況を調査。「事実上、自動車の全ての部分について、新疆ウイグル自治区の強制労働が関係していないか綿密に精査する必要がある」としている。

UAWのレイ・カリー会長は、メーカーは「労働権と人権、環境を守っている場所」でサプライチェーンを構築すべき時が来たと指摘。米政府に対しては、税関・国境警備局(CBP)が強制労働によって生産された製品の輸入をしっかりと特定、禁止できるよう、必要な資源を投入するよう要請した。

米政府は6月、中国政府が新疆ウイグル自治区のイスラム教徒に対してジェノサイド(集団殺害)を続けているとの見解を示し、同自治区で強制労働によって生産された製品の輸入を実質的に禁止する法律を制定した。