[東京 23日 ロイター] – 鈴木俊一財務相は23日の財政演説で、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字を2025年度までに解消するため「歳出、歳入両面の改革を着実に推進していく」と述べた。経済再生と財政健全化の両立を図ることが重要との認識も示した。

日本の財政状況については、新型コロナ対応や累次の補正予算編成で「例を見ないほど厳しさを増している」と指摘した。

鈴木財務相は「財政は国の信認の礎」との認識を改めて示し、「日本の信用や国民生活が損なわれないようにするため、平素から財政余力を確保しておくことが不可欠」と強調した。

財政演説では、防衛力強化を念頭に「戦後日本が直面し、積み残してきた多くの難しい問題の解決を図っていく」との考えも述べた。日本経済を立て直し、財政健全化に向けて取り組んでいくことで「豊かな日本社会を次の世代にしっかりと引き継いでいかなければならない」と語った。