アメリカの銀行の相次ぐ経営破綻やスイスの金融大手・クレディ・スイスの経営問題などで金融市場が動揺する中、日米欧の6つの中央銀行は協調して、市場へのドル資金の供給を拡充すると発表しました。

週明けの東京市場が始まる前の日本時間の20日早朝、日銀とアメリカのFRB=連邦準備制度理事会、ヨーロッパ中央銀行、イングランド銀行、カナダ銀行、それにスイス国立銀行の6つの中央銀行は、協調して金融市場へのドル資金の供給を拡充すると発表しました。

ドルを市場に供給する資金供給の頻度をこれまで週単位だったのを毎日できるようにし、20日から、少なくとも来月末まで実施するとしています。

金融市場が動揺する中で投資家の間で主要通貨のドルを手元に確保しておこうという需要が高まると見込まれ、これに対応する措置を打ち出すことで市場の混乱を抑えるねらいがあります。

今回の対応について日銀は「グローバルな資金調達市場の緊張を緩和する重要な安全弁として機能することでこうした緊張が家計や企業に対する信用供給に及ぼす影響を軽減することに資するものだ」としています。

日銀や各国の中央銀行が協調して主要通貨のドルを供給したのは2008年のリーマンショックのときが初めてで、2020年3月に新型コロナの感染拡大の影響で金融市場の動揺が続いた際にも協調してドル資金の供給を拡充する措置をとっています。