[東京 7日 ロイター] – 厚生労働省が7日公表した2月の毎月勤労統計(速報)によると、実質賃金は前年比2.6%低下となり11カ月連続の減少となった。現金給与総額が同1.1%伸びたが、消費者物価指数(CPI)が前年比3.9%上昇した影響が響いた。企業の賃上げが物価上昇に追いつかない状態が続いている。

ただし実質賃金のマイナス幅は1月の4.1%から縮小した。政府のエネルギー価格支援で物価上昇率のプラス幅が1月の5.1%から縮小したのが主な理由。

労働者1人当たり平均の名目賃金を示す2月の現金給与総額は、前年比1.1%増の27万1851円。1月の同0.8%からプラス幅が拡大した。

所定内給与は前年比1.1%増の24万円8254円で、1月の同0.9%と比べて伸びが拡大した。所定外給与も前年比1.7%増の1万8807円と1月の同0.5%増からプラス幅が拡大している。

毎月勤労統計で用いられる消費者物価指数は、2020年基準の持ち家の帰属家賃を除くベース。昨年4月には3.0%だったが、食品などの値上げで徐々にプラス幅が拡大し今年1月は5.1%まで高騰していた。

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▽実質消費支出、2月は前年比1.6%増 4カ月ぶりのプラス<ロイター日本語版>2023年4月7日8:50 午前