[東京 10日 ロイター] – 松野博一官房長官は10日午後の会見で、日本に対する武力攻撃事態における海上自衛隊と海上保安庁の連携を強化するため、防衛相が海保を指揮下に収める手順などを示した「統制要領」の作成作業に入っていることを認めた。ただ、具体的な内容を公表する段階にないとした。
松野官房長官は、厳しい安全保障環境の中で武力攻撃事態における海上自衛隊と海保の連携強化は「極めて重要であると考えている」と指摘。自衛隊法80条に基づいて、防衛相の指揮下に海保を置く統制要領は「作成に向けた作業を実施している」と述べつつ「現時点で具体的な内容を答える段階にない」と語った。
また、武力攻撃事態を想定した海上自衛隊と海保の共同訓練は「早期に実施したい」と述べたが、具体的な時期は確定していないとした。
その上で「統制要領の作業を進め、共同訓練で検証していきたい」と語った。
読売新聞の10日付朝刊は、有事の際に防衛相が海上保安庁を指揮下に置く手順などを定めた「統制要領」の概要が判明したと報じた。防衛相が海上保安庁長官を指揮し、海保が海上での捜索・救難や国民保護を担当することが柱となる、と伝えた。
一方、岸田文雄首相が10日、官邸で対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発した新興企業「オープンAI」のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)の表敬訪問を受けたことに関連し、松野官房長官はAIの技術進歩の現状について話し合われたと説明。利活用などのメリットとプライバシーや著作権侵害などリスクの扱いについて意見交換を行ったとした。