[ワシントン/ハルツーム 4日 ロイター] – 米情報機関トップのヘインズ国家情報長官は4日、スーダンで4月15日に勃発した正規軍と準軍事組織との戦闘について、双方が軍事的な勝利を確信し交渉する動機がほとんどないことから、長期化する可能性が高いとの見方を示した。

スーダンでは正規軍トップのブルハン統治評議会議長と準軍事組織である高速支援軍(RSF)のモハメド・ハムダン・ダガロ司令官が戦闘を繰り広げており、これまでに10万人以上が近隣国などに避難している。

ヘインズ長官は上院軍事委員会で行った証言で「双方が軍事的に勝てると信じており、交渉のテーブルに着く動機がほとんどないため、戦闘は長期化する可能性が高い」と指摘。双方は共に「外部支援」を求めているが、外部支援が得られれば紛争は激化し、地域に問題が波及するおそれがあるとの見方を示した。

その上で、すでに悲惨な状態にあった人道状況が一段と悪化しているとし、大規模な難民発生の懸念が高まる中、支援団体は活動の縮小を余儀なくされていると指摘した。

停戦合意が相次ぎ破られ戦闘が続く中、米ホワイトハウスは4日、スーダンの不安定化に関与した人物に制裁を科す可能性があると表明した。

バイデン大統領は「スーダンで起きている暴力は悲劇で、民政と民主主義への移行を求める国民への裏切り」とし、米国は「状況が許す限り」人道支援を提供する用意があると言明した。

国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は、国連のトラック6台が略奪されたことを受け、援助物資の安全な通行を保証するよう国軍とRSF双方に要求。数日中に双方と直接会談する方針を示した。