[東京 11日 ロイター] – メモリーを中心に半導体市場の減速が鮮明で、この日決算を発表した製造装置メーカーの東京エレクトロンは今年度の営業利益が3割以上、シリコンウエハーメーカーのSUMCOは上半期に1割以上、前年から減るとみている。

半導体の成膜装置などを手掛ける東京エレクトロンは今年度の営業利益が前年比36.4%減の3930億円になると予想。半導体メーカーの設備投資先送りなどの影響を織り込み、アナリスト22人の予測平均値4455億円を下回った。

販管費を前年比5%削減して対応するものの、今後を見据えて研究開発に過去最大となる約2000億円を投じることも響く。今年度上期で売り上げは底を打ち、その後は回復に転じるとみている。

翌四半期までの業績予想を毎回開示しているSUMCOは、1─6月期の営業利益が前年同期比13.8%減の429億円になる見通しだと発表した。事前に予想を出していたアナリスト2人の平均値472億円を下回った。

足元の4─6月期は顧客の生産調整の影響を受け、メモリー、ロジック向けとも300ミリウエハーの販売が後ずれしている。今年後半が底で、24年以降はデータセンターや車載、スマートフォン向けに需要が徐々に回復すると予想している。

一方、ニコンは24年3月期、半導体向け露光装置の販売増を計画。新品は23年3月期の27台から33台に増えるとみている。半導体メーカーの設備投資需要に一服感はあるものの、主要顧客以外への拡販や、付加価値の高い装置の販売増で増収増益を目指す。パネル向けの露光装置が低調なことから、精機事業全体の営業利益は前年比38.9%減の150億円を計画する。