【北京時事】ブリンケン米国務長官は18日、北京の釣魚台迎賓館で中国の秦剛国務委員兼外相と会談した。緊張が続く米中関係の安定模索が焦点となり、米国務省は会談後の声明で、米中間の「誤解」のリスクを防ぐための「意思疎通のチャンネル維持」について話し合ったと発表した。双方は「適切な時期」の相互訪問で合意し、ブリンケン氏は秦氏をワシントンに招待した。
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米国務長官の訪中は約5年ぶり。会談は18日午後2時半(日本時間同3時半)から5時間半にわたって行われた。米側には、今後の米中首脳会談への地ならしを進める狙いもあったとみられる。
中国国営中央テレビなどによると、秦氏は台湾問題を「核心的利益」とする中国の立場を改めて説明。台湾問題が米中関係の「最も重大な問題であり、突出したリスクだ」と述べ、台湾へ接近する米国をけん制した。一方で、米中関係の「安定化」を促進し、ハイレベル協議を継続することでは米側と一致した。
ブリンケン氏は16日の記者会見で、訪中の目的として、意思疎通の確立、米側の懸念を巡る率直な協議、世界経済・気候変動といった分野での協力模索を挙げていた。会談でもこの3点を議論したとみられる。一方の中国側は「中米関係における(中国の)立場と懸念を伝え、自らの利益を断固として守る」(外務省報道官)と強調していた。
ブリンケン氏は18日朝、北京に到着した。秦氏との会談後、同氏と協議を兼ねて会食。訪問は19日までで、中国外交トップの王毅・共産党政治局員、習近平国家主席との会談も調整しているもようだ。