Saudi Arabia’s Crown Prince Mohammed bin Salman on June 24, 2019.  Photographer: JACQUELYN MARTIN/AFP

サウジアラビアの政府系ファンドは2022年の包括損失が156億ドル(約2兆2100億円)に達した。ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)への投資価値が急落し、他のハイテクベンチャーが市場低迷の打撃を受けたことが影響した。

  6日に発表された年次財務報告書によると、サウジの政府系ファンド(SWF)、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)はその前年に254億ドルの利益を上げていた。

  ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会長を務めるPIFは昨年、サウジ株への資産の割合を24%から32%へと大幅に増やした。一方で国際戦略資産への配分を20%から10%に引き下げた。国際戦略資産のポートフォリオにはイングランドのサッカークラブ、ニューカッスル・ユナイテッドや、ブラックストーン・グループの米インフラ投資ファンドが含まれている。

サウジ政府系ファンド、昨年は1.5兆円の投資損失-世界的な相場下落で

  サウジとアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国が支援するビジョン・ファンド1号は、2022年に過去最大となる320億ドルの年間損失を記録した。

  ソブリン・ウェルス・ファンド・インスティテュートによると、PIFの資産規模は現在約7770億ドルと推定されている。

原題:Saudi Wealth Fund Takes $15.6 Billion Hit From SoftBank and Tech(抜粋)