- 混乱収束は見通せず、ECBの出方警戒、100年余りで最悪
- アーム株取得で協議、注目のCEO後継レース
米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月会合で金利を据え置くとの見方が市場では広がっていますが、米10年債利回りは昨年の高水準に向かって上昇。ドルは145円近辺で推移しています。当局者らがタカ派姿勢を続けていることが一因で、今週公表されるFOMC議事要旨でも「当局者の大半がディスインフレの進展に勇気づけられているが、利上げサイクルが終わったとの確信はまだないことが示されるだろう」とブルームバーグ・エコノミクスは指摘しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
混乱収束は見通せず
米国債は非常に高いボラティリティーを伴った乱高下が続くと、投資家は見込んでいる。バークレイズは、金利が来年も高い水準で推移するとの見方から、米2年債の売りを顧客に勧めている。早ければ来年3月にも一連の利下げが開始されるとの広範な市場の臆測とは別の見方だ。ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、米金融当局が来年4-6月(第2四半期)に利下げを開始するとの予想を示した。四半期ごとに0.25ポイントの引き下げといった緩やかなペースを想定しているという。
ECBの出方警戒
INGグループとラボバンク、サクソバンクは、エネルギー価格の再上昇を背景に欧州中央銀行(ECB)がタカ派的姿勢を取ることに備えるよう推奨。ECB当局者は長期のインフレ期待が一段と高まることに歯止めを掛けようとするだろうと、これら金融機関は指摘した。INGのシニア金利ストラテジスト、ベンヤミン・シュレーダー氏は「突如として、一部のインフレ警報が再び鳴り響いている」と指摘。ラボバンクもECBはインフレ対応で「さらなる決意」を示す必要が生じ得るとの見方を示した。
100年余りで最悪
米ハワイ州マウイ島で発生した大規模な山火事による死者は93人に達し、米国で起きた山火事の被害としてはこの100年余りで最悪となった。同州のグリーン知事は12日の会見で、当局による救助・捜索活動が続けられており、犠牲者の数はさらに増えることが予想されると語った。損害規模は60億ドル(約8700億円)に近づきつつあると推計されている。今回の山火事の原因はいまだ調査中だが、弁護士らは専門家を同島に派遣し、送電線が火元となった可能性を調べている。
アーム株取得で協議
ソフトバンクグループは、同社が直接保有していない英半導体設計会社アームの株式25%を、傘下のビジョン・ファンド1から取得することを協議している。ロイター通信が複数の関係者を引用して報じた。交渉がまとまった場合、ビジョン・ファンド1に資金を投じている投資家には直ちに想定外の利益がもたらされることになり、サウジアラビアの政府系ファンドであるパブリック・インベストメント・ファンドやアブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラ・インベストメントなどがその恩恵を受けるという。
注目のCEO後継レース
米銀モルガン・スタンレーの内部ではこの夏、臆測が渦巻いている。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)が後継者に誰を推すか検討しているからだ。この後継争いは現在、ウォール街で最も注目されている。ゴーマン氏は1年以内にCEOの地位を退くと表明している。だが、とりわけ目を引いたのは、ゴーマン氏のもう一つの表明だ。それはトップ交代に伴い経営陣刷新や幹部流出が相次ぐウォール街の慣例にあらがい、敗れた最終候補者も社内に残留させて平和的な引き継ぎを目指すというものだ。
その他の注目ニュース
FRBは当面待つ必要、ソフトランディングが本物かどうか見極め
米クリーブランド・クリフス、USスチールに買収提案―現金と株式で
ゴールドマンのソロモンCEOに対する厳しい目、母校にも広がる