けさこの記事を読んで頭の片隅をよぎったのは、「プライベートクレジット市場って何だ」という疑問。世の中には知らないことが多すぎる。ブルームバーグの配信した記事には「UBSグループのコルム・ケレハー会長は28日、活況を呈するプライベートクレジット市場でリスクが高まっていると警告を発した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)がロンドンで開催した銀行業界会合での発言」とある。早速ググってみた。「プライベートクレジットとは、投資ファンドなどが企業に直接融資する仕組みです。非公開で組成、交渉される投資商品。流動性が低く、相対的に高い利回りの提供が可能」とある。試験運用中の生成AIによる解説。分かったようわからないような説明。中国で問題となった理財商品のようなものだろう。

要するに高利回りと銘打ったファンドを組成し、金持ちや企業から大量の資金をあつめ、この資金を直接ベンチャー企業や新規プロジェクトに提供する非公開の融資活動だ。通常の融資や投資ファンドと違って、金融当局の規制やチェックがない。自由に集めて使い方も自由。投資に関するディスクロージャーもない。ごく一部のカネ持ちと金融機関のような仲介業者が、勝手に行なっている金融取引だ。零細な庶民には無縁の金融類似行為。そこがいまバブル化しているらしい。不動産が投資対象だと想定すると、土地バブルが崩壊しない限りプライベートクレジット市場は活況を呈するはずだ。だが、バブルはいずれ崩壊する。そうなれば中国の理財商品並みの損失を被るし、リーマンショックの原因となったサブプライムローン暴落の再来もありうる。

ネット検索で野村総研のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏のレポートが見つかった。それには「(PC)ファンドは2022年以降も成長を続けている。IMFによると、同ファンドは2008年初め以降およそ6倍にまで拡大し、現時点での資産規模は1兆5,000億ドル程度と見積もられている」とある。今年の5月11日付のレポートで、ちょっと古い。現時点ではもっと規模が膨らんでいるだろう。木内によると「(このファンドには)流動性に大きな問題を抱えた企業にも融資を行っているものがあり、大きな信用リスクを抱えている。この先、非上場企業の信用リスクが高まっていけば、ファンドの運用パフォーマンスが悪化し、それを機に顧客による新規の資金流入が停止し、徐々に資金が引き上げられていく可能性がある」と警告する。今のところ我々には関係ないが、バブルが弾ければ零細庶民にも被害が及ぶだろう。

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