9日、ソウルで共同記者会見を行った秋葉剛男国家安保局長(右)、韓国大統領府の趙太庸国家安保室長(中央)、米国のサリバン大統領補佐官(国家安保担当)(EPA時事)
9日、ソウルで共同記者会見を行った秋葉剛男国家安保局長(右)、韓国大統領府の趙太庸国家安保室長(中央)、米国のサリバン大統領補佐官(国家安保担当)(EPA時事)

 【ソウル時事】秋葉剛男国家安全保障局長とサリバン米大統領補佐官(国家安保担当)、韓国大統領府の趙太庸国家安保室長は9日、ソウルで会談し、ロシアと接近する北朝鮮への対応などで連携を確認した。北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源となる不正なサイバー活動の阻止に向け協力することで合意した。

ロ朝接近への対応で連携確認 日米韓高官、偽情報対策も強化

 韓国大統領府によると、日米韓外交当局が新設した作業部会を基に、暗号資産(仮想通貨)の窃取など北朝鮮によるサイバー犯罪やIT労働者派遣による外貨獲得の遮断を進める。サリバン氏は会談後の記者会見で、サイバー犯罪への対処などを「新たなイニシアチブ」と強調した。

 3氏はまた、8月の日米韓首脳会談の成果を踏まえ、北朝鮮の弾道ミサイル発射情報の即時共有といった安保協力を進めると申し合わせた。秋葉氏は日本人拉致問題の即時解決に向けた協力を求め、米韓から支持を得た。

 来年に韓国総選挙や米大統領選を控える中、外国からの情報操作や偽情報への対策で協力を強化することでも一致。秋葉氏は会見で「外国からの偽情報などを用いた情報操作は、民主主義国家の選挙の公正な運営、自由で民主的な社会の根幹への挑戦、脅威だと確認した」と説明した。