ことし4月に行われた東京の江東区長選挙をめぐり区議会議員らに現金を提供したなどとして、東京地検特捜部が柿沢未途前法務副大臣に出頭を要請したことが関係者への取材でわかりました。

特捜部は、28日にも公職選挙法違反の買収の疑いで柿沢前副大臣を取り調べるものとみられます。

ことし4月の江東区長選挙をめぐり、東京地検特捜部は、前法務副大臣で自民党を離党した柿沢未途衆議院議員(52)の自宅や議員会館にある事務所などを公職選挙法違反の疑いで捜索するなどして捜査を進めています。

柿沢議員は、保守分裂の構図となった区長選挙で自民党推薦の候補と争った木村弥生前区長を支援し、秘書に指示して区議会議員らに現金を提供させていたことが明らかになっているほか、柿沢議員側が前区長の陣営スタッフに報酬を支払っていたことなどがわかっています。

関係者によりますと、特捜部はすでに柿沢議員に出頭を要請していて、28日にも、公職選挙法違反の買収の疑いで取り調べるものとみられます。

柿沢議員は、特捜部の任意の事情聴取に対し、区議会議員らに提供した現金は同じ時期に行われた区議会議員選挙の陣中見舞いで、買収には当たらないと説明し、運動員への報酬支払いについては自身の関わりを否定しているということです。

柿沢議員は、前区長に有料広告の利用を勧めた責任をとりたいとしてことし10月に法務副大臣を辞任し、議員会館の事務所などが捜索を受けた今月14日に自民党を離党していました。