最近、ニュースを見て気になるのは肥満に関する情報だ。大正製薬は4日、肥満の改善を助ける薬「アライ」を4月8日から売り出すと発表した。朝日新聞デジタルによると「脂肪の吸収を抑えて肥満の改善を助ける薬」とある。肥満系の薬はこれまで医師の処方箋がないと薬局では買えなかった。これに対してアライは処方箋がなくても薬局で買える国内初の薬となる。ただし、購入するためには条件がある。「高血圧」や「2型糖尿病」など、肥満に関する健康障害のない人が対象で、薬剤師がチェックシートで購入の是非を判断するなど、対面販売が義務付けられている。とはいえ、これまでよりは購入しやすくなる。ダイエットブームの日本でこの薬がどう評価されるか、気になるところではある。それと同時に一つの疑問が湧く。日本人は本当に肥満なのだろうか?

疑問の一つは肥満の定義だ。ブルームバーグ(BB)が6日に流した記事によると、世界標準は体格指数(BMI)30以上を肥満と定義している。これに対して日本では日本肥満学会がBMI25という基準を設けており、30未満でも肥満とみなされている。厚生労働省の最新データによると、日本では男性の約33%、女性の約22%がBMI25以上となっている。アメリカでは、男女ともに約43%がBMI30以上だという。同学会の理事でもある神戸大教授の小川渉氏は、「BMIが25以上を肥満と考えた場合、日本人成人男性の30%以上が当てはまる」という。定義は異なるものの日本人の肥満率は「欧米とさほど変わりはない」(小川氏)と指摘する。なんとなく納得できない解説だが、定義に関係なく肥満防止は健康に良いのだから世界標準より厳しい日本の定義を良しとするか。生半可に自分を納得させる。

肥満と似て非なるものにダイエットがある。日本はダイエット大国でもある。大正製薬に先駆けて日本で肥満薬の「ウゴービ」を発売したノボ・ノルディスク(本社・デンマーク)日本法人社長のマイルヴァン氏が、BBの記事の中で次のようなコメントをしている。「日本ではダイエットへの関心も高い。肥満は意志の弱さの問題と片付けられ、治療という選択肢に気づいていない人も少なくない。だからこそ『肥満に対する公衆の知見を深めていかなければならない』」と。日本では肥満が病気であるという認識が低く、偏見も強い。「街中で肥満の人をあまり見かけないことで、肥満に対するスティグマ(恥辱)がより強くなっている」(同氏)。そんな中で肥満治療薬の5年後の売上予測は、同社によると約330億円に達するという。企業は潤い、社会保障費の軽減につながる政府はほくそ笑む。それぞれが勝手に“皮算用”している。

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