今日は「国際女性デー」。この日に合わせてイギリスの経済誌「エコノミスト」は毎年、OECD(経済協力開発機構)加盟国のうち主要な29カ国の「女性の働きやすさ」について、男女の労働参加率や給与の差などに基づいたランキングを発表している。きのう発表されたランキングによると日本は、29カ国中下から3番目の27位。政府・自民党はかなり前から「男女平等」「機会均等」「女性の働き方改革」を唱えているが、一向に改善されない現実がここにある。政治とカネにまつわる不祥事が頻発するたびに政治改革が声高に叫ばれるのと一緒で、実効性のある施策はほとんど講じられてこなかった。出生率の向上しかり、デフレ脱却しかり、経済の好循環しかり。なにからなにまで、ぶち上げる政策はすべて机上の空論で実効性が伴わない。「異次元の少子化対策」も同じ轍を踏むのか?日本はいつになったら女性が住みやすい国になるのだろうか。

今年のランキングトップは去年と同じアイスランド。NHKによると管理職に占める女性の割合はおよそ4割に達しているという。日本は下から3番目の27位。その理由についてエコノミストは、①企業の管理職に占める女性の割合がおよそ15%と低いこと②衆議院の女性議員の割合が10%余といずれも対象国のなかでは低い水準だったこと、この2点をあげている。ちなみにトップのアイスランドは、企業の管理職に占める女性の割合がおよそ4割に達している。日本でも最近徐々に女性の社会進出が進んでいる。たとえばメディアの記者。一昔前まではほとんど男性が占めていたこの職種に、最近女性の進出が目立っている。この人たちは何年か先には管理職に昇格するだろう。長い目で見れば女性の管理職に占める割合も少しづつ向上するとみていい。とはいえ、欧米はもっと早くから女性の働き方改革に取り組んでいたわけで、日本の政策対応が遅れているのは歴然としている。

働きやすさランキングと同じような報告は他にもある。世界銀行が4日に発表した報告書によると、女性の就労や起業を阻害する差別的な法律や慣行を撤廃すると世界のGDP(国内総生産)はいまより20%超押し上げられるという。これが実現すると今後10年間、世界の経済成長率を2倍にすることが可能になるという。女性に対する差別を廃止するだけで、経済成長率が2倍になるというのだから夢のような話だ。逆にいえば男性優位をなくすだけで経済は活気を取り戻すことになる。いいことづくめだ。男性一般ではなく、もっと絞り込んだほうがいい。「自分は偉くて有能だ」と思っている政治家にオーナー経営者、学者に評論家、ジャーナリスト、今の世の中を正しい方向に導いていると思い込んでいる“ご高齢の男性”を排除すれば、日本は経済だけでなく社会全体がもっと活気付くのではないか。そんな気がする。

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