平田 雄介

国連安全保障理事会で18日、核軍縮・不拡散を議論する閣僚級会合の議長を務める上川陽子外相(外務省提供)
国連安全保障理事会で18日、核軍縮・不拡散を議論する閣僚級会合の議長を務める上川陽子外相(外務省提供)

【ニューヨーク=平田雄介】上川陽子外相が主宰し、核軍縮・不拡散を議論した18日の国連安全保障理事会閣僚級会合では、「核を使用するとの威嚇」を繰り返してウクライナを侵略するロシア、核戦力を急速に増強する中国に対する批判や懸念を表明する国が相次いだ。露中は反論し、米国が呼びかけた二国間対話を拒否する姿勢をみせた。

会合で、グテレス国連事務総長は「宇宙やサイバー空間、人工知能(AI)といった領域の新興技術がこれまでにないリスクを生み出している」と訴え、核保有国間の対話を促した。

フランス代表は、プーチン露大統領が2023年2月に履行停止を表明した米国との新戦略兵器削減条約(新START)への「復帰」を米露に促した。米代表は「前提条件なし」で露中との軍備管理協議に応じる姿勢をみせた。ただ、露代表は「核保有は戦略的均衡を維持する重要な要素」と語った。中国代表も「米国が核兵器を削減し、軍縮プロセスの状況を整えるべきだ」と応じなかった。

非核保有国のスロベニアとスイスなどの代表は、核保有国が非核国に対して核兵器を使用しないと保証した1995年の安保理決議を想起し、ウクライナの現状に懸念を表明した。

韓国代表は、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の核ミサイル開発への懸念を表明した。モザンビーク代表は「アフリカに核保有国はない」と述べ、核戦争に巻き込まれるとすれば「とても不公平だ」と訴えた。