▽注目の会見は12分間、「彼」が途中から「一平さん」に…報道陣100人が集まる<読売新聞オンライン>2024/03/26 10:05

水原氏に関する記者会見後にグラウンドでキャッチボールをする大谷翔平(3月25日、ロサンゼルスのドジャースタジアムで)=帯津智昭撮影

 【ロサンゼルス=帯津智昭】ロサンゼルスの本拠地ドジャースタジアムで25日午後2時45分から行われた大谷翔平選手の記者会見には、日米約100人の報道陣が集まった。用意された椅子には座りきれず、大半の記者は立ったまま、大谷選手の言葉に耳を傾けた。スタン・カステン球団社長をはじめとした球団幹部やデーブ・ロバーツ監督、ジョー・ケリー投手ら一部選手も見守った。

水原氏は「僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していた」…大谷選手の発言全文

 水原氏に関する記者会見後にグラウンドでキャッチボールをする大谷翔平(3月25日、ロサンゼルスのドジャースタジアムで)=帯津智昭撮影

大谷選手は冒頭、「僕自身、信頼していた方の過ちというのを、悲しいというか、ショックですし、今はそういう風に感じています」と切り出した。2018年からのエンゼルスでの6年間、そしてドジャースに移籍してから3か月余りにわたり、公私ともサポートを受けてきた元通訳の水原一平氏の違法賭博疑惑への思いをにじませた。

 質問は受け付けず、声明を発表するだけとの事前の説明があった会見。大谷選手は机に置かれた書面に時折、目を落としつつ、前を向いて答えた。右隣には水原氏の代わりに当面の通訳を務めることになったウィル・アイアトン氏が座り、大谷選手の言葉を丁寧に英訳した。

 大谷選手は会見序盤では水原氏のことを「彼」と呼んでいたが、途中から「一平さん」と名前を出すようになった。

 「一平さんがミーティングの時に(説明し)、ギャンブルの依存症だというのは僕はもちろん知らなかったですし、彼が借金をしていることも、そのミーティングの時はもちろん知りませんでした」「ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをその時、知りました。彼はその時、僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました」――。韓国・ソウルで20日に行われた開幕戦後のやり取りの詳細を含め、時に身ぶりを交えて説明した。顔を手でぬぐったり、何度もまばたきを繰り返したりする場面もあり、緊張している様子もうかがえた。

 会見は約12分間で終了した。大谷選手はその後はグラウンドに出て、グラブをはめて約10メートルの距離のキャッチボールを行った。 靱帯じんたい を痛めた右肘を昨年9月に手術しており、来季になる見通しの投手復帰に向けて歩みを進めた。キャッチボールを終えると、球団スタッフと言葉を交わし、笑顔も見せた。この日のエンゼルスとのオープン戦には2番指名打者で先発メンバーに名を連ねた。

▽水原氏は「僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していた」…大谷選手の発言全文<読売新聞オンライン>2024/03/26 09:29

オープン戦前にウォーミングアップする大谷翔平(手前)と水原一平氏に代わって通訳を務めるアイアトン氏=25日、AP

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平氏の違法賭博疑惑に関する大谷選手の25日の発言全文は次の通り。

大谷翔平「正直、ショックという言葉が正しいとは思わない」「うまく言葉にするのは難しい」オープン戦前にウォーミングアップする大谷翔平(手前)と水原一平氏に代わって通訳を務めるアイアトン氏=25日、AP

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 まず皆さん、来ていただいてありがとうございます。僕も話したかったので、うれしく思っていますし、チームの関係者の皆さん、僕自身もそうですけど、ファンの皆さんも、ここ1週間ぐらいですかね、厳しい1週間だったと思うんですけども、メディアの皆さんも含めて、我慢とご理解をしていただいたのはすごくありがたいなと思っています。

 まず、僕自身、信頼していた方の過ちというのを、悲しいというか、ショックですし、今はそういうふうに感じています。

 現在進行中の調査もありますので、今日話せることにまず限りがあるのをご理解いただきたいなということと、また、今日、ここに詳細をまとめた、分かりやすく皆さんにお伝えするためにまとめたメモがありますので、そちらのほうに従って、何があったのかというのをまず、説明させていただきたいなと思います。

 まず初めに、僕自身は、何かに賭けたりとか、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それをまた頼んだりということはないですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことも、もちろん全くありません。本当に数日前まで、彼(水原氏)がそういうことをしていたというのも、全く知りませんでした。

 結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ、みんな、周りの人たちみんなにウソをついていたというのが、結論から言うと、そういうことになります。

 まず、初めに言うと、先週末、韓国(で)ですね、僕の代理人に対して、メディアのほうから、僕が違法なブックメーカーに関与しているのではないかと、スポーツ賭博について関与しているのではないかという連絡がありました。一平さんは僕にこういった取材の依頼があるということをまず、僕には話していなかったし、僕のほうにそういう連絡は来ていなかったということと、まず初めに代理人には、一平さんは、僕(大谷選手)と話して分かったのは、一平さんではなく、某友人の借金の肩代わりとして(大谷選手が)支払ったというふうに、僕の代理人も含めて、みんなに話しています。

 その翌日に更に尋問で一平さんは、僕の代理人に対して、借金は自分のもの、つまり、一平さん自身が作ったものだということを説明しました。それを僕が肩代わりしたという話を、その時に代理人に話しています。そして、これらは全く、全てがウソだったということです。

 一平さんは取材依頼のことも僕にはもちろん、その時、伝えていなかったですし、代理人の人たちに対しても、「僕は既に彼(大谷選手)と話してコミュニケーションを取っていた」とウソをついていました。

 そして僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国での第1戦が終わった後に行われた試合の後のチームミーティングの時です。そのミーティングで彼は全部英語で話していたので、僕に通訳はもちろんその時は付いていなくて、全て英語で話していたので、完全には理解できていなくて、なんとなく、こういう内容だろうなというのは、おそらくは理解はできていましたけど、なんとなく違和感をその時は感じていました。

 その時、彼は僕に対して、「ホテルに帰った後で、より詳しいことを2人で話したいので、今は待ってくれ」というふうに言っていたので、僕はまず、その時はホテルまで待つことにしました。

 僕は一平さんがその時に、ミーティングの時にギャンブルの依存症だっていうのは僕はもちろん知らなかったですし、彼が借金をしていることも、そのミーティングの時はもちろん知りませんでした。で、僕は彼の借金返済にもその時もちろん同意してませんし、ブックメーカーに対して彼に送金してくれと頼んだことももちろん、許可したことももちろんないです。その後、試合後、ホテルに戻って一平さんと初めてそこで話をして、彼に巨額の借金があることをその時、知りました。彼はその時、私に僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました。

 で、僕はやっぱりおかしい、これはおかしいなと思って、代理人と話したいということで、代理人たちを呼んで、そこで話し合いました。話し終わってこれを聞いて、僕の代理人もやっぱり彼にウソをつかれていたということを初めて知って、すぐにドジャースの皆さんと弁護士の人たちに、その時に連絡しました。で、ドジャースの皆さんも、代理人の人たちも、彼らもその時に初めて、自分たちもウソをつかれていたということを知りました。そして、弁護士の人たちは、これは窃盗と詐欺なので、これを警察当局に引き渡すという報告をその時にしました。

 これがそこまでの流れなので、僕はもちろんスポーツ賭博には関与していないですし、ブックメーカーに送金をしていたという事実は全くありません。

 正直、ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うーん、うまく言葉には表せないような感覚でこの1週間ぐらいはずっと過ごしてきたので、今、それをうまく言葉にするのは難しいなと思っています。

 ただ、もうシーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士の方々にもお任せしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいなと思っています。

 なので、気持ちを切り替えるのは難しいですけども、シーズンに向けてまたスタートしたいですし、今日まずお話できてよかったかなと思っているので、今日は質疑応答は、これが今お話できる全てなので、質疑応答はしませんが、これから更に進んでいくと思います。

 以上です。ありがとうございました。

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