今朝の読売新聞(ネット版)をみて驚いた。「都知事選に大量の候補擁立、ポスター掲示板を『販売』…禁止規定ないが専門家『民主主義への挑戦』」、読売新聞の記事だ。立花孝志党首率いる「NHKから国民を守る党」が推進している活動だ。非常識にも程がある。一瞬そう思った。だが、記事を読んで再考、有権者を無視して裏金づくりに精を出してきた自民党や、見せかけだけの改革案で合意した公明党や維新の会よりこちらの方がまだましか。選挙ポスターの掲示板は「他候補への応援や虚偽の内容でない限り、原則として内容は自由」(総務省)。加えて「販売行為は公職選挙法の想定外で、禁止規定はない」(同)とある。裏金づくりは「政治資金規正法」違反。ポスター販売は法律違反ではない。「民主主義への挑戦」と憤慨する専門家氏の認識のなんと甘いことか。日本の政治は専門家も含めてすべからく常識以下だ。
立花氏は次のように説明する。「同団体に寄付すれば、都内に約1万4000か所ある選挙ポスター掲示板のうち1か所を選んで、自身で作成したポスターを貼れる。デザインや内容は原則、寄付者の自由で、自分や知人の氏名、犬の写真でも掲載できる」と強調する。寄付額は1口5000円以上、6月以降は1万円以上で、1口1万円で計算すると、1億4000万円の寄付収入が入る。同団体が候補者30人分の供託金(1人300万円)を支払っても、5000万円の利益が出ると読売新聞は計算する。法律の盲点をついた奇策というべきか。常識人には思いつかない発想だが、法律違反ではない。東京15区で非常識な選挙活動を行った「つばさの党」、彼らの活動は明らかに法律違反。立花氏は法律に規定のないギリギリのところで、常識では考えられない活動を行っている。「政治に関心を持ってもらうには、多くの人が立候補を経験することが重要」、啓蒙活動の一環でもあるとちゃっかり宣伝する。
自民党ならびに岸田政権のみせかけだけの規正法改正案を理解できる人も、立花氏の活動は理解できないだろう。常識と非常識が混在し、何が本当に重要で、何が非常識なのか判然としなくなっている。最近のニュースを見ていると殺人事件とトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)犯罪が異常に多い気がする。いずれも常識的な日常生活を送っている一般庶民の理解を超えている。どうしてこうなるのだろう?答えなどわかるはずもないが、自公政権が続いて自民党の政治家が裏で堂々と違法なことを行なっていた。国会議員が法律を犯しても大半は無罪放免だ。有権者の信頼を得るための改正案を与党がお手盛りで国会に提出する。こんな国で真面目に生きることの馬鹿らしさ。裏金づくりも公にならなければ犯罪ではない。だが国民は水面下で行われている政治家の違法な行為を敏感に感じとっている。立花氏の奇策、自民党の裏金づくりや小池都知事の学歴詐称よりは真っ当に見える。
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