イカ刺しやさきいか、イカフライなど、“庶民の味”として日本人に親しまれてきたスルメイカ。それがいま獲れなくなっている。NHKが16日のニュースで取り上げたテーマだ。同局のサイトにも掲載されている。冒頭の庶民の味は同サイトからの引用だ。スルメイカは主に日本海を含む北西太平洋に生息し、東シナ海から日本海で生まれたあと、成長とともに北に向かって群れで長距離を移動し、北海道周辺で多く漁獲されている。日本の漁獲量は1950年代から2000年までの間、おおむね30万トン前後で推移し、1968年のピークには66万トンあった。しかし2001年以降、減少傾向が続いていて、2016年からは急激に減少している。2023年の漁獲量はおよそ2万ト。ピーク時の3%、33分の1の水準に落ち込んだ。以上は同サイトからの引用。

「百聞は一見に如かず」だ。以下に同サイトに掲載されているスルメイカ漁獲量の推移のグラフを掲載する。

1968年のピーク時の漁獲量は66万トン強だ。それが昨年は約2万トン。ピーク時の3%、33分の1だ。

水産庁はこれを受けて「今後の資源管理や漁獲シナリオについて年内にも方針を示す」としている。それはそれでいいのだが「なにを今更」と言いたいのだ。2000年以降スルメイカの漁獲量は鋭角的に減少している。水産庁をはじめ政府、官僚、政治家、学識経験者はこれまで何をやっていたのだろう。同じような問題は日本中に五万とある。繰り返される政治とカネの疑惑。各内閣が最重要課題と位置付ける拉致問題も、いまだに何の解決策も示されない。デフレ脱却を強調しながらデフレ政策を推進する政府。行政改革はいつも掛け声だけ。地方創生も非核政策も口先だけ。右肩下がりはスルメイカだけではない。日本中に中身の伴わない対策がゴロゴロ転がっている。これが日本の国力を削ぐ根源的な原因のような気がするのだ。