総選挙の結果は「変われない自民党」と、その自民党と連立を組むことになんの躊躇も感じない公明党の大敗に終わった。維新も議席を減らした。政治資金規制法改正で自民党に歩み寄ったペナルティーだろう。反省なき自民党と組めば議席は減る。有権者の無言の意思表示だ。選挙結果は自公の与党が215議席、野党が250議席。本来なら野党連立政権が誕生してもおかしくない。だが、野党はこれだけ勝っても政権を発足させる準備がまるでない。石破政権継続の余地を残した野党、とりわけ野党第1党である立憲民主党の政治力が問われる事態でもある。政局混迷の長期化は避けられないのでは。これは日本の窮地か。そういう見方もある。だが、個人的にはそうは思わない。政局混迷の中に、日本再再生に向けたチャンスがあるのではないか。そう思いたい。これは日本にとって絶好のチャンス到来かもしれない。
自民党の何が良くないのか、今更いうまでもないだろう。古すぎるのだ。危機感もない。世論とか国民生活を気にするフリはする。だが本心は権力を維持したいだけ。裏金疑惑を小手先の法律改正で乗り切ろうとした岸田政権。手のひら返しの石破総理がそれを象徴している。公約の「自公で過半数」を大幅に割り込んでも、まだ政権維持の姿勢を示している。情けない。だけどこれが自民党なのだ。ダメな自民党の影響は永田町にとどまらない。日本全国津々浦々、地方自治体の議会はダメな自民党と瓜二つ。お爺ちゃんたちが“政治”と称して私腹を肥やしている。これに負けず劣らずダメなのが自民党を支える官僚たちだ。とりわけダメなのが財務省。「ザイム真理教」の著者である森永卓郎氏は、財務省を称してカルト集団と断罪する。カルトの教義は「財政再建」。国民生活など歯牙にも掛けない。財政健全化への奉仕が彼らの最大の責務なのだ。その彼らは「平気で気に入らない政権を潰す」(安倍晋三回顧録)。
与野党逆転の総選挙は、こんな日本の現状を露わに抉り出した。映し出されたのは混迷する日本の真の姿だ。政党はいくつあるのだろうか。自民、公明の与党2党に野党は立憲民主、維新、国民民主など8政党。狭い日本に10政党もある。政党間の感情的な亀裂はとてつもなく大きいが、政党間の主張にも公約にも大した違いはない。自民党に比べて似て非なるものでもない。同類に近い人たちの集まりだ。唯一の違いは消費税の減税を公約に掲げるかどうかだ。この際、「消費税減税を実現する」連合政権を作ったらどうか。自民党でも共産党でも構わない。これに賛成する国会議員が3年間の期限付きで政権を運営する。この間、日本の再生にとって何が必要なのか、徹底的に議論する。もちろん国際政治への対応も課題だ。減税政権を発足させるだけで財務省は実質的に解体できる。政治の信頼回復や国民生活と国際政治に何が必要なのか。国会議員一人一人が徹底的に議論する。ピンチは日本再生のチャンスになる。
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