[ワシントン 25日 ロイター] – トランプ米大統領は25日、中国が通商政策において米国側の譲歩を取り付けるために米農家を利用しており、悪意のある手段だと批判した。

トランプ氏はツイッターで「中国は、われわれの農家を標的にしている。彼らは私が米農業者らを好きで尊敬していることを知っている。農家を標的にすることで米国を食い物にし続けることを私が許すと思っているのだろう。悪意ある行為だ。彼らの戦略は失敗に終わる。われわれは親切だった。これまではな!」と投稿した。

米国は中国からの輸入品のほか、欧州連合(EU)やカナダ、メキシコからの鉄鋼やアルミニウムに関税をかけた。各国は報復手段を模索している。世界的に貿易摩擦が高まる中、米農家は特に標的となっている。米国から関税を課された国は、米国の大豆や乳製品、食肉、生鮮食品、酒などの農産物に報復関税を導入している。

トランプ氏は24日、世界大恐慌時代の政策を導入し、貿易摩擦を乗り切るために米農家へ最大120億ドルの補助金を出すとした。

農家や、農業を主要産業とする州の議員らの多くは、こうした動きを批判した。ベン・サス共和党上院議員(ネブラスカ州)は補助政策は農家に「金の松葉杖」を支給しているようなものであり、貿易戦争の方がはるかにダメージが大きいと指摘した。リサ・マカウスキ共和党上院議員(アラスカ州)はツイッターで「補助政策は自由貿易の代わりにはならない」と投稿し、トランプ氏をけん制した。

一方、マルコ・ルビオ共和党上院議員(フロリダ州)はトランプ氏の投稿に支持を表明。ツイッターへの投稿で「100%正しい。中国は強硬手段に出ている。中国にとってこれは貿易の問題にとどまらない。われわれを犠牲にして経済的支配力を得ようとしている」と述べた。