• 3日から「中国アフリカ協力フォーラム」-4日まで
  • 習主席が掲げる「一路一帯」構想への懸念も強まっている

中国の習近平国家主席はアフリカ各国の首脳を北京に招いて3日から開く会議を、習主席肝いりの広域経済圏構想に新興国を借金漬けにするリスクがあるとの批判に反論する場として活用する。

2日間に及ぶ「中国アフリカ協力フォーラム」で習主席は中国と中央アジア、中東、アフリカ、欧州を道路や鉄道、港湾、パイプラインなどでつなぐ「一帯一路」構想について自ら説明する機会を得る。

首脳会議に先立つビジネスイベントで演説した習主席は、中国としては「アフリカ側の意思を完全に尊重」しており、「排他的なクラブ」を形成することに関心はないと明言。「中国の対アフリカ協力は開発の大きなボトルネックに明確に焦点を絞っている」と述べた上で、「中身のないプロジェクトに協力のリソースは一切投じられていない」と主張した。

中国の習国家主席(北京で、3日)

Photographer: Lintao Zhang/Pool via Getty Images

  中国人民大学の時殷弘教授(国際関係)は習主席が「協議とアフリカ諸国のニーズを考慮することの重要性を強調する」だろうが、「世界中の懐疑的な見方を一挙に鎮めることにはならないだろう」と語った。

アフリカ各国政府が必要としているインフラ向けの投資を中国政府は後押ししているが、欧米が求めるような政治・財政面での条件もないままに提供されている。また、融資を重視しアフリカの現地労働力活用に消極的な中国側の姿勢に対する不満も広がり、中国を再び世界の大国にするとの習主席の野心に絡んで一帯一路は進められているとの懸念が強まっている。

マレーシアのマハティール首相

撮影:Rahman Roslan / Bloomberg

  一帯一路を米国の影響力への挑戦だと見なすトランプ米政権はオーストラリアや日本と共にアジア太平洋地域におけるインフラ投資拡大について協議している。ここ数カ月だけでも、中国の融資慣行を巡る批判は豪州からインドに至る各国で指摘されている。マレーシアのマハティール首相は先月の北京訪問時、中国が関与する200億ドル(約2兆2200億円)規模の鉄道事業を中止を発表し、こうしたプロジェクトは「新しい形の植民地主義」だと断じた。

中国アフリカ・リサーチ・イニシアチブのデータによれば、中国のアフリカ向け融資供与は2000年は1億ドル強にすぎなかったが、2015年には120億ドルに膨らんでいる。

原題:China Doesn’t Want ‘Vanity Projects,’ Xi Tells Africa Executives(抜粋)