きょうから本格的に2019年がスタートする。新しい年はどんな年になるのだろうか。年末年新、テレビや新聞、ネットのニュースはあまり見なかったが、新しい年を占う番組などでは米中の貿易戦争を中心に先行きの不安を煽る番組が多かったような気がする。円高・株安など年末年始にマーケットが乱高下を繰り返したことも不安を掻き立てた。ただでさえうまくいっていない日韓関係に、火器管制レーダーの照射問題が追い打ちをかけた。この問題で日韓の溝はさらに広がるだろう。それにしても韓国側の全面否定には驚く。文在寅政権側には完全否定せざるをえない国内事情があるのだろうが、一般市民からみれば明らかに韓国に分はない。
新年の幕開けを飾った大ニュースは、中国が世界ではじめて月の裏側に無人探査機を着陸させたことだろう。良きにつけ悪しきにつけ今年も中国が話題の中心になりそうだ。中国は3日午前10時26分(日本時間同11時26分)、「嫦娥(じょうが)4号」を月の裏側に着陸させた。月の裏側は地球からは全く見えない。電波も届かない。そこに無人探査機を着陸させた中国の技術力は目を見張るばかりだ。月の裏側に電波が届く通信衛星をます打ち上げ、その衛星経由で無人探査機を月面の裏側に着陸させた。宇宙はこれから核兵器に変わって安全保障の“抑止力”になっていく。米国やロシアと並ぶ「宇宙強国」に名乗りをあげた中国。月の裏側への無人機着陸は、宇宙覇権にかける中国の意気込みを示したことになる。
きょうから北京で始まる貿易戦争をめぐる米中の高官協議は、技術開発をめぐる米中の全面戦争の始まりでもある。「中国製造2025」は中国の技術開発にかける基本的な戦略である。月の裏側への着陸もこの戦略に基づいて実施されている。もうすぐデジタル通信の5Gが始まる。5Gになれば一度に通信できる情報量が一気に拡大する。そればかりではない。天空にある衛星からレーザー光線を使って軍事基地や軍事衛星の破壊も可能になるといわれている。米国は中国がスパイ網を使ってこうした軍事技術を盗んでいると主張している。当然中国はこれを真っ向から否定し、米国こそが世界中にスパイ網を張り巡らしていると非難している。どちらの言い分が正しいかど素人には全くわからない。ただ、米中の貿易戦争は貿易赤字という表面的な問題だけでなく次世代の“覇権”をめぐる争いになりつつある。これが不安を煽る原因でもある。
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