【ワシントン、ソウル時事】トランプ米大統領は8日、ツイッターで、ベトナムで27、28両日に行われる北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との2回目の首脳会談について、開催都市が首都ハノイに決まったと明らかにした。国務省によると、米朝両国は首脳会談に向けて実務者級の準備協議を再び行う。

 トランプ氏は「金委員長と会談し、平和を推進することを楽しみにしている」と投稿。かつて弾道ミサイルの発射を続けた正恩氏を「ロケットマン」とやゆしたことを念頭に、「北朝鮮は異なる種類のロケットになるだろう。経済のロケットだ」と語り、北朝鮮が非核化に取り組めば経済大国になれると促した。

 米メディアによると、北朝鮮側は大使館のあるハノイでの首脳会談開催を要求する一方、米側はトランプ氏が2017年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で訪問した中部ダナンを希望していた。北朝鮮側が主張を押し通した形となった。

 これに先立ち、米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は6日から8日に訪朝し、金革哲・国務委員会米国担当特別代表と準備協議を行った。国務省によると、昨年6月のシンガポールでの初の首脳会談で合意した「完全な非核化、米朝関係の転換、朝鮮半島の恒久的平和」などが議題となった。米国が求める非核化の具体的措置や北朝鮮への「見返り」が話し合われた可能性もある。

 今後、両者が準備協議を重ねることで、首脳会談の議題や共同声明案を最終調整するとみられる。ただ、日程は明らかになっていない。

 ビーガン氏は9日、韓国の康京和外相、李度勲平和交渉本部長とソウルで会談し、北朝鮮側との準備協議の結果を説明した。また、ソウルを訪れた外務省の金杉憲治アジア大洋州局長とも会談、李本部長も交えた3者で昼食を兼ねた協議も行い、日米韓の緊密な連携を確認する。(2019/02/09-11:04)