今朝のニュースで“オヤッ”と思ったのはこれ。「韓国防空識別圏にロシア・中国が侵入 韓国F15とF16がロシア機へ360発射撃」(ロイター)。多くのメディアがこの事実を取り上げている。ロイターによると「韓国の軍用機は23日、同国領空に侵入したとしてロシアの軍用機に数百発の警告射撃を行った。(中略)一方、ロシア側はいかなる領空も侵犯していないとしている。韓国国防省当局者によると、ロシア軍機が韓国の領空を侵犯するのは初めて。同省によると、ロシアの爆撃機2機と中国の爆撃機2機がともに23日午前、韓国防空識別圏(KADIZ)に進入した」という。ここでいう「韓国防空識別圏」は、日本が領有権を主張している竹島に該当する。菅義偉官房長官は、「竹島の領有権に関するわが国の立場に照らして到底受け入れられず、極めて遺憾だ」(同)と述べた。

竹島周辺は韓国名・独島。韓国はこの島を実効支配している。日本は固有の領土と主張しており、この島は貿易問題とは別の“もう一つ”の日韓問題である。その島の周辺にロシアと中国の軍用機が侵入した。これに対して韓国軍が360発の実弾を発射して警告し、これに対して日本は韓国と中国、ロシアに抗議したという。このニュースに登場する国は4カ国。日本を覗く3カ国は軍用機による実践さながらの駆け引きを展開。日本は徒手空拳の応戦といった様相である。竹島を巡って日韓は今でも激しく対立している。日韓の貿易摩擦が深刻化し両国関係がドロ沼化している折に、中国とロシアが連携して領空侵犯を犯す狙いは何か、素人目には分かりにくい。どうやらロシアと中国は日本海で共同軍事訓練を行なっていたようなのである。訓練のついでに竹島の上空を通過し、韓国が主張する防空識別圏だけでなく領空にも侵入した。

ロシアと中国の軍用機は事前に計画した通りの行動をとったのだろう。日韓関係が泥沼化する中で領空を侵犯した時、韓国と日本はどんな反応をするか試したのではないか。案の定、実効支配している韓国はロシア機へ360発、威嚇射撃あるいは警告射撃を行ってきた。そして日本はロシアと中国に厳重に抗議すると同時に、菅官房長官が「竹島の領有権に関するわが国の立場に照らして到底受け入れられず、極めて遺憾だ」と記者会見の場で抗議した。NHKによると日本政府は「ロシアと中国のねらいを慎重に分析する一方で、竹島が日本の領土であることを改めて国際社会に主張していく方針です」と締めくくっている。国際社会で昼夜を問わず繰り広げられる偵察合戦、日本の固有の領土を韓国軍が守っていることになる。