• 日産の中国合弁、東風汽車がNBAとの協力をやめた
  • スポーツ用品メーカーから乳製品企業までNBAから手を引く意向

米プロバスケットボールNBAは、国外で最大市場の中国で主要な現地スポンサー企業のほぼ全部を失った。ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)が香港の抗議参加者を支持するようなツイートをしたことで中国の強い批判を招いた。

日産自動車の中国合弁である東風汽車もNBAと距離を置いた。すでに中国最大のスポーツウエアメーカー、安踏体育用品や乳製品大手の蒙牛グループ、スマートフォンメーカー、ビボはNBAとの関係から手を引く意向を示している。中国中央テレビ局(CCTV)と同国ソーシャルメディア最大手のテンセント・ホールディングス(騰訊)は8日、プレシーズンマッチの放送を中止すると発表した。

中国は今回の問題で、同国の政治的利益にとって問題とみなした企業を標的にしている。これは同国が長年利用してきた戦略だ。ロケッツのダリル・モーリーGMが投稿したツイートをきっかけに中国の怒りを買ったNBAは、数十億ドル規模の同国市場で危うい立場に立たされている。

2019 NBA Awards - Arrivals
ロケッツのダリル・モーリーGM

グローバルリスクコンサルタント会社ベリスク・メイプルクロフトのプリンシパルアジア担当アナリスト、ヒューゴ・ブレナン氏は「中国政府は海外からの内政干渉と受け止められるものについては、一切容認しない姿勢を取っている」と述べ、「中国がここまで厳しいスタンスを取っている理由はこのためだ」と続けた。

東風汽車はNBAとの協力をやめ、長年にわたるNBAのマーケティングパートナー、豪牛グループは「中国の国家主権に抵抗するあるいは社会的安定を脅かす全ての言動に断固反対する」と表明した。ブランド広告塔としてNBAのスター選手と契約してきた安踏は、ロケッツGMのツイートは「間違っている」と述べた。

原題:NBA on the Ropes in China as Local Sponsors Flee Over Tweet (1)(抜粋)