東京オリンピックの猛暑対策としてマラソンと競歩の会場を札幌に移す案が今月末に議論されるのに向け、大会の組織委員会は、販売済みの観戦チケットの取り扱いや新たな経費の見積もりなど実施に向けた課題の洗い出しを急ぐことにしています。

IOC=国際オリンピック委員会は、猛暑の対策として東京オリンピックのマラソンと競歩の会場を札幌に移す案を発表し、バッハ会長が17日、組織委員会との間で合意していることを表明しました。

組織委員会の森会長は「東京都と日本陸上競技連盟の考え方を大事にして組織委員会がまとめないといけない」と述べ、札幌で実施する方向で今月30日からのIOCの調整委員会で協議することになりました。

しかし、開幕まで10か月を切ったこの時期に会場を変更することは極めて異例で組織委員会は、課題の洗い出しを急ぐことにしています。

会場となるコースはもちろんのこと観戦チケットはマラソンを新国立競技場で観戦するチケットがすでに抽せん販売されていて組織委員会は、払い戻しに応じる方針ですが、札幌に移っても観戦を希望する人への対応が焦点になりそうです。

また、運営スタッフやボランティアの確保、それに選手の宿泊先などほとんどの分野で準備はこれからで、それに伴い新たな経費が見込まれます。

森会長は場合によってはIOCに負担を求める姿勢を示していて、調整委員会に向け精査を進めることにしています。