[ニューヨーク 5日 ロイター] – 米国株式市場は大幅に値上がりし、ダウ平均株価.DJIは829ドル高で引けた。5月の雇用者数が予想に反して大幅に増加したことを受け、景気回復が一段と早まるとの期待が広がった。 

ナスダック総合指数.IXICは一時、終値での最高値を超えたものの、その後は伸び悩んだ。ダウ平均とS&P総合500種指数.SPXはともに最高値から10%以内の水準に戻した。 

5月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比250万9000人増と、市場予想の800万人減に反してプラスに転じた。4月は約2070万人減と、1930年代の大恐慌以降で最大の落ち込みを記録していた。失業率は13.3%と、戦後最悪だった4月の14.7%から改善。市場予想は19.8%だった。 

ステート・ストリート・グローバルアドバイザーズ(ボストン)の主任投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「経済が順調に回復していることが改めて確認された」とした上で「新型コロナウイルス禍の影響は一時的で、経済は改善しつつあることがはっきりとうかがえる」と述べた。 

米債券利回りの上昇に伴い、銀行株が好調。S&P500銀行株指数.SPXBKは4.9%上昇した。コロナ禍への打撃が大きい航空株も値上がりし、5.7%高。 

ただ世界保健機関(WHO)は、新型コロナが終息したわけではなく、ロックダウン(都市封鎖)措置の緩和により一部諸国では感染が増加していると注意を促した。 

市場では9—10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目している。 

個別銘柄では航空機大手ボーイング(BA.N)が11.5%高。アメリカン航空グループ(AAL.O)は4日、7月に国内運航便を大幅に拡大すると発表した。アメリカン航空も11%超値上がりした。 

宝飾品大手ティファニー(TIF.N)は6.5%高。関係者によると、高級ブランド世界最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH.PA)はティファニーの買収を巡り再交渉を要求していないという。 

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を5.03対1の比率で上回った。ナスダックでは3.08対1で値上がり銘柄数が多かった。 

米取引所の合算出来高は175億6000万株。直近20営業日の平均は120億3000万株。