Benjamin Robertson、Jan-Henrik Foerster

  • マルチプル法で評価する企業価値、「信じがたいほど劇的に」上昇
  • 金利上昇、企業に支払う評価額にとてつもない影響及ぼすだろう

米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社アポロ・グローバル・マネジメントのスコット・クラインマン共同社長は、記録的な低金利が合併や買収の企業価値評価に関する「集団妄想」を引き起こしていると指摘した。

  クラインマン氏はベルリンで開かれた「スーパーリターン」会議で、ゼロ付近の金利は「あらゆる意図せぬ結果」をもたらしており、マルチプル法で評価する企業価値が「信じがたいほど劇的に」上昇する原因となっていると述べた。

  「誰もが集団妄想の状態にある」と同氏は指摘。「20年後に現在を振り返って、『われわれは何を考えていたのだろうか。買収がEBITDA(利払い・税金・償却控除前利益)の25倍で実現することがどうしてあり得るのか』と思うだろう」と続けた。

  その上で、アポロはバリュー重視のアプローチをとるべく努めており、バリュエーションがEBITDAの5-9倍の「素晴らしい企業」に資本を配分することができていると語った。

  クラインマン氏によれば、テクノロジーのような高成長企業は現行の金利環境に「非常に依存しており」、金利が今年上昇した局面ではバリューエーションがほんの数日で20-25%低下した。

  「金利上昇は、企業に支払う評価額にとてつもない影響を及ぼすだろう」と同氏は話した。

原題:Apollo’s Kleinman Sees ‘Collective Delusion’ as Valuations Soar(抜粋)