政府は急拡大を続けるオミクロン対策として新たに「まん延防止等重点措置」を拡大する方針を固めた。今朝各紙が報じている。NHKのニュースを引用すると、「新型コロナの感染状況が悪化する中、政府は、東京など首都圏の1都3県や東海3県、それに新潟や熊本などにまん延防止等重点措置を適用する方向で調整しています。18日、関係閣僚が対応を協議し、19日にも専門家に諮ったうえで正式に決定することにしています」とある。期間は3週間程度、早ければ週内にも適用か。沖縄、山口、広島に次ぐ適用の拡大だ。予想通りの展開というべきか。日本全国で2万人をこえる感染が続いている。政府としても規制強化せざるを得ないのだろう。政府だけではない。地方自治体が適用を望んでいる。致し方ないというべきかもしれない。

とはいえ疑問は残る。まん延防止等重点措置は営業時間の短縮や酒類の提供禁止を、自治の長が飲食店等に要請することをベースにしている。要請すれば実質的に強制力を持つというのが日本的な規制の特徴だが、主な対象は大人が頻繁に利用する“飲み屋”などが想定されている。もちろんイベント規制も付随しており、人流抑制に効果がないとはいえないが、それでもイベントに参加するのは大半が大人という前提だ。これに対してオミクロン株の感染は、大人もさることながら20歳未満の子供のウエイトがかなり高い。デルタ株以前の従来のコロナウイルスの感染状況とここが決定的に異なっている。オミクロン対策で急を要するのは大人ではなく子供だろう。だが、国も地自治体も大人用の「マン防」導入に血眼になっている。

「マン防」を導入するなと言っているわけではない。国民の生命・財産・領土を守ることが政治の最も重要な使命だとすれば、子供の感染防止を第一に考えるべきではないか、と言いたいのだ。ワクチンのブースター接種も医療従事者の次に高齢者ではなく子供を対象に検討すべきだ。菅政権は1日に100万回を目標にワクチン接種を推進した。「絵に描いた餅」「無謀な計画」「一本足打法」などとマスコミは一方的に批判した。インフルエンザの予防接種は当時、1日20〜30万回程度がせいぜいだった。だが、菅政権は最大時で1日160万回とか170万回という前代未聞の接種を実現した。火事場のバカ力というやつだ。日本人はやればできる。それに比べ岸田政権のオミクロン対策はひ弱で迫力がない。それでもメディアの評価は高い。本当にこれで子供の感染拡大は阻止できるのだろうか・・・。