[北京 18日 ロイター] – 中国人民銀行の劉国強・副総裁は18日の会見で、経済の下押し圧力が続いており、成長安定化に向けさらなる政策措置を講じると表明した。

資金調達コストを着実に下げ、人民元の安定を維持するとも発言した。

信用の「崩壊」を防ぐために、政策手段の使用を拡大すると表明。「迅速に動き、先を見据えた運営を行い、市場の期待に先行して行動し、市場の一般的な懸念にタイムリーに対応していく」と述べた。

預金準備率の引き下げ余地は縮小しているが、景気刺激のため必要に応じて預金準備率を活用する余地は残っているとも発言した。

人民銀行は17日、景気減速に対応し、中期貸出制度(MLF)金利を市場の予想に反して引き下げた。引き下げは2020年4月以来初めて。一部の市場参加者は、一段の金融緩和を予想している。

人民銀金融政策局の孫国峰局長は、銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)について、市場金利の変化を完全かつタイムリーに反映させると述べた。

国際金融情勢の変化により、国境を越えた資本フローに一定の変動が生じる可能性があるが、米国を含む先進国の政策調整による影響は限定的との見方を示した。

劉氏は人民元相場について、短期的にバランスの取れた水準から逸脱することもあり得るが、中長期的には市場要因や政府の政策によって是正されるだろうと述べた。

金融市場局の鄒瀾局長は、不動産セクターの信用供与に関する政策の「継続性、一貫性、安定」を維持していくと説明。

不動産の販売や資金調達は徐々に正常に戻りつつあり、市場の期待は回復していると指摘した。

鄒局長によると、2021年末時点の不動産融資総額は52兆2000億元(8兆2200億ドル)。前年比7.9%増で、伸び率は9月末を0.3%ポイント上回った。