[10日 ロイター] – 米国株式市場は大幅安。予想を上回る米インフレ指標やその後の米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を受け、FRBがより積極的に利上げを行うのではないかとの懸念が高まった。

米労働省が10日に発表した1月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比7.5%上昇し、伸び率は1982年2月以来、約40年ぶりの大きさとなった。上昇率は4カ月連続で6%を超えた。21年12月は7.0%だった。

これを受け、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は10日、自身のタカ派姿勢を「劇的に」強め、7月1日までに100ベーシスポイント(bp)の利上げが実施されることを望むと述べた。

USバンクウェルスマネジメントのチーフ株式ストラテジスト、テリー・サンドヴェン氏は、インフレによってバリュエーションは圧迫されやすいとした上で、「FRBによる利上げの回数と規模が判明するまで変動が続くだろう」と述べた。

ブラード総裁の発言を受け、米金利先物市場はFRBが政策金利の誘導目標レンジを6月会合までに1─1.25%に引き上げるとの見方を完全に織り込んだ。

テスラやエヌビディア、マイクロソフトなど時価総額が大きいグロース株が約3%安。

業種別ではS&P11セクター全てが下落。情報技術が2.75%安、不動産が2.86%安と下げを主導した。

一方、米企業の四半期決算は引き続き好調。リフィニティブによると、決算を発表したS&P500構成銘柄のうち78%がアナリスト予想を上回った。

米娯楽大手のウォルト・ディズニーは3.4%高。9日発表した第1・四半期(1月1日まで)決算は、売上高が予想を上回った。ホリデーシーズン中に国内テーマパーク事業が安定的に回復したことに加え、動画配信サービスの契約件数が堅調に伸びたことが追い風になった。

米玩具大手マテルと米食品大手ケロッグはそれぞれ7.65%、3.11%上昇。市場予想を上回る通期利益見通しを発表した。

米取引所の合算出来高は128億株。直近20営業日の平均は125億株。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.08対1の比率で上回った。ナスダックでも2.26対1で値下がり銘柄数が多かった。