Signage with fuel prices at a Exxon Mobil gas station in Berkeley, California.Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

2月の米消費者物価指数(CPI)は40年ぶりの大きな伸びを示しました。ロシアのウクライナ侵攻の影響が完全には反映されていない2月時点でこれですから、今後はさらなるインフレ高進が予想されます。短期金融市場が示唆する年内の米利上げ回数は6.6回前後と、残る7回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の全てで0.25ポイントの利上げが実施されることがほぼ織り込まれています。ただ、0.5ポイントの大幅利上げを織り込む動きはみられず、景気腰折れを警戒してFOMCが積極的な利上げに踏み込みづらい状況も反映されているようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。 

40年ぶり大きな伸び

2月の米CPIは前年同月比7.9%上昇と、1982年以来の大きな伸び。ガソリンが前月比6.6%上昇し、CPI全体の前月比上昇分のほぼ3分の1を占めた。食品は同1%上昇と、2020年4月以来の大きな伸び。前年同月比では7.9%上昇し、1981年以来の大きさだった。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIも前年同月比で伸びが加速した。

進展なし

ロシアとウクライナはトルコのアンタルヤで1時間半にわたり外相会談を行った。ロシアのウクライナ侵攻開始以来、最も高位の当局者による両国の直接会談となったが、ウクライナのクレバ外相によれば、ロシアは要求が満たされるまで攻撃を継続すると通告し、停戦へ前進はなかった。この会談後、欧州連合(EU)は首脳会議を開催。初期の声明草案には「EUはいっそう関係を強化し、連携を深める。ウクライナはわれわれ欧州の家族の一員だ」と書かれているが、加盟国は一致できずにいる。

クーポン支払い受けず

国営ロシア鉄道の債券保有者らは9日に見込んでいたユーロ建て債券のクーポン支払いをまだ受け取っていないと明らかにした。プーチン大統領は5日、敵対的な国の投資家に対してはルーブルでのみ債務返済を認める大統領令に署名。ロシア鉄道の債権者らは、ロシア国内の口座にルーブルで支払いが履行されたかどうかは分からないとしている。ロシア鉄道が外貨建て債務を履行しないとなれば、プーチン氏の大統領令以降でロシア企業では初めてとなる。

接収

ロシア政府は同国から撤退する外資系企業を接収、あるいは国有化する案を策定した。ロシア経済発展省は外国人の持ち分が25%を超える撤退企業を一時的に管理下に置く方針を明らかにした。企業の保有者は5日以内にロシアでの営業を再開するか、株式売却など他の選択肢を選ぶかを決めなければならないという。ゴールドマン・サックス・グループはロシア事業を閉鎖する計画を明らかにした。ロシアから撤退するウォール街の主要金融機関は同行が初めて。ファーストリテイリングはユニクロのロシア事業を一時的に停止することを決めたと発表した。

解除加速

欧州中央銀行(ECB)は予想に反して金融緩和解除を加速させた。ロシアのウクライナ侵攻が記録的な高水準にあるインフレをいっそう押し上げる恐れがあり、ECBはインフレを成長減速よりも懸念していることを示唆した。ウクライナでの戦争は欧州にとって「転換点」だと指摘。資産購入プログラム(APP)による債券購入は5月から減らし始め、7-9月(第3四半期)にも終了させる方針を示した。ただ、利上げはその直後とは限らないとくぎを刺した。

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