ウクライナ情勢はこう着状態から“ロシアの劣勢”を指摘する情報が多くなってきた。戦争の実態がどうなっているかはよくわからない。とはいえ、メディアの伝える情報からは、ウクライナ軍が少しずつ反転攻勢に転じている様子が伝わってくる。フェイクあり偽旗情報あり、真実がなへんにあるかよくわからない。それでも最近の情勢はウクライナの歴史的勝利を予測するものが多くなってきた。逆言えば、それだけプーチン包囲網が狭まってきたということだ。プーチンが仕掛けた戦争が歴史的に間違っていることを証明する形になったのがスウェーデンとノルウェーのNATO加盟申請だろう。歴史的に中立を守ってきた両国は、ナチ化したプーチンの凶暴な振る舞いをみてNATO加盟申請に踏み切った。「ナチス主義者が称賛される国家は世界でウクライナだけだ」(産経新聞)と強調するプーチンは、自らナチス化することによって墓穴を掘った。

NATO拡大に対抗する意味もあったのだろう。プーチンは16日、ロシアが主導する「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会議をモスクワで開催した。参加国はベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス、タジクにロシアの6カ国。全首脳が参加した。プーチンはこの場でウクライナへの侵攻状況を説明すると同時に、「今年秋にCSTOの枠組みで一連の軍事演習を実施する」(同)と表明した。だが産経新聞は「ウクライナ侵攻をめぐっては、CSTO諸国でも多くが明確なロシア支持を打ち出していない」と解説する。一番積極的なベラルーシのルカシェンコ大統領にしても、侵攻は支持しているものの戦争への直接的な関与は控えている。NATOに対抗すべく同盟国の結束を示すはずの首脳会議だったが、結局はいまひとつ盛り上がりに欠けた結果に終わったようだ。これに対してウクライナ側は一段と強気だ。

ゼレンスキー大統領は15日、「占領者たちは自分たちが行き詰まり、いわゆる”特別軍事作戦”がすでに失敗していることをいまだに認めようとしない。しかし、ウクライナの国民が占領者たちに現実を理解させる時が必ず来るだろう」とビデオメッセージで強調した。NATOのストルテンベルグ事務総長も同日、「ロシア軍はハルキウ周辺から退却しつつあるし、ドンバスでの大規模な攻撃は勢いを失っている」(NHK)と指摘した。極め付けは中国だ。元駐ウクライナ大使は、今回の戦争によって「(ロシアは)大きく弱体化しつつあると指摘した」と、ブルームバーグが13日付で報道している。ロシアに有利な情報だけを集めれば事態は全然違って見えるかもしれない。それでも西側の情報に“こう着状態”に変化の兆しが読み取れるようになってきた。プーチン包囲網は着実に狭まっている気がする。