日銀の金融政策決定会合の結果を、世界の金融市場関係者が固唾を飲んで見守っている。ゼロ金利政策の継続と、決まり切った金融緩和政策の説明で、このところ日銀の金融政策決定会合に注目が集まることはなかった。前回会合ではYCCの国債金利許容変動幅を0.25%から0.5%に突如変更した。これが市場関係者にとってはこれまでにないサプライズだった。この連想で今回もなんらかの政策変更が行われるのではないか、市場関係者は極度に警戒している。前回は突然の政策変更で債券市場や株式市場が大波乱となった。そのトラウマが尾を引いている。今回の会合結果を見つめる市場関係者の反応をブルームバーグは以下のように伝えている。「18日の日本銀行の政策決定はドル・円相場にとって世界金融危機以来のリスクイベントとなりつつある」と。良いことか、悪いことか、久しぶりに日銀が注目されている。
「トレーダーはいずれかの方向に2%以上変動する可能性に賭けている。エコノミストはほぼ全会一致で日銀が政策を維持すると予想しているが、トレーダーは12月に続き予想外の政策修正がある可能性を認識している。日銀が再び行動すれば円が急上昇し、世界の債券利回り上昇を引き起こす可能性が高い。動かなければドルが上昇し、下落を見込んでいた投資家はショートカバーに追い込まれるかもしれない」。結果発表の直前でも市場関係者は見通しがつかないでいる。世界の中央銀行は最近どこでも、市場との対話を重視している。重要な会合の直前にはおおよその内容が予測できる状態になっていることが多い。要するに市場との対話、金融政策をめぐる環境整備に積極的に取り組んでいる。これに対してに日銀は、ここでも世界に類例のないような“特殊性”の中に閉じこもっている。
金融政策決定会合の内容よりも、個人的にはここが重要だと感じている。黒田日銀総裁は市場との対話を拒否しているように見える。じゃあなきゃ、前回のような、大方の予想を裏切るような決定をするはずがない。独善的、一方的な決定と言われるゆえんだ。コミュニケーション能力に欠けているのかもしれない。そういえば昨年、インフレが始まった直後に、「消費者はインフレを受け入れている」と発言して大顰蹙をかったことがある。そのあとも「低金利は24年以降も続く」と発言。総裁任期は23年4月まで。任期を超えた将来の金利見通しに言及したことを受け、岸田総理から「余分なことは言わないように」と厳重に注意されている。はたから見ていると総裁の権力を盾に、上から目線の発言が最近やけに目立つのだ。数時間後には金融政策決定会合の結果が発表される。午後には黒田総裁の記者会見もある。果たして今日はどうなるか・・・。
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