[東京 26日 ロイター] – 日本の宇宙ベンチャーispace(アイスペース)がストップ安水準での売り気配となっている。26日朝、民間企業初の月面着陸が失敗したと発表し、利益確定の売りが優勢となった。市場では「上場段階でも業績面は厳しく、投資家は夢を買う形だった。着陸失敗なら期待が剥落するのは仕方ない」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)との声が聞かれる。

同社株は、12日の上場初日は買い気配で値がつかず、2日目に公開価格(254円)の3.9倍の1000円で初値を付けた。その後、2週間で約2倍に値を伸ばしていた。

松井証券の窪田氏は「今後のミッションへの期待もありそうだが、ストップ安ともなると高値で買った投資家に追い証も生じかねず、株価はいったんは下値模索になりそうだ」とみている。

ispaceの説明によると、月着陸船は着陸態勢に入りながらも最後は燃料が切れ、自由落下して月面に衝突したとみられる。26日に会見した袴田武史・最高経営責任者(CEO)は「非常に大きな期待をもらっていた。ミッション2、3をしっかり実行して事業性をしっかり築いていくことが何より重要と考えている」と述べた。