[フランクフルト 4日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)は4日の理事会で、予想通り0.25%ポイントの利上げを決定した。利上げ幅はこれまでの0.5%ポイントから縮小したものの、ラガルド総裁は理事会後の会見で、インフレ抑制に向け利上げを「停止しない」と強調した。

ECBはまた、3兆2000億ユーロ規模の資産購入プログラムに関し、満期償還資金の再投資を7月から停止すると発表した。

ECBは前回会合まで3回連続で0.5%利上げしていた。利上げ幅の縮小は、これまでの利上げが経済に波及し、今や金融政策が成長の制約要因になっているとECBが判断したことを示唆している。

声明は「理事会は引き続きデータに基づき引き締めの適切な水準と期間を決める手法を取る」とし「金利決定は今後も、入手する経済・金融データ、基調インフレの動向、金融政策伝達の強さを踏まえたインフレ見通しの評価に基づき下す」とした。

今回の利上げで、リファイナンス金利は3.50%から3.75%に、中銀預金金利は3.00%から3.25%に、限界貸出金利は3.75%から4.00%に上がる。

ラガルド総裁は会見で、利上げを「停止しない。それは非常に明確だ」とし、「なおやるべきことがあると認識している」と語った。

さらに、インフレ率をECBの目標である2%まで低下させるために金利はまだ「十分に制約的」でないとし、今後2回以上の追加利上げが実施される可能性を示唆した。

ラガルド総裁は、インフレにはなお大きな上振れリスクがあり、とりわけ賃金や企業利益率の予想以上の上昇が中期的にもインフレ率を上昇させる可能性があると指摘。金融環境はまだ十分に引き締まっていないという認識を示した。

また、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ停止に動けば、ECBもそれに追随するという見方を否定し、ECBは「FRBに左右されない」と言明した。

ピクテ・ウェルス・マネジメントのフレデリック・デュクロゼ氏は「ECBが6月に0.25%ポイントの追加利上げを実施すると引き続き予想する」とし、「米国銀行システムの今後の動向次第では、7月に最後の0.25%ポイント利上げが行われるリスクもある」と述べた。

金融市場では、政策金利が9月までに3.75%でピークに達するという見方が後退。現時点での金利のピークは3.65%近辺となっており、あと1回の追加利上げの可能性を織り込んでいるものの、さらにもう1回の利上げについては見解が分かれているもよう。

ベレンベルクのホルガー・シュミーディング氏は「ECBはタカ派に配慮し、複数形で『将来の決定』をほのめかした」と指摘。「やや曖昧なガイダンス」が、6月および7月に利上げを実施し、金利を3.75%まで引き上げる公算が大きいという見方を支えていると述べた。

ECBはまた、3兆2000億ユーロ規模の資産購入プログラム(APP)について「資産購入プログラムのポートフォリオを慎重かつ予測可能なペースで削減し続ける」とし、「これらの原則に沿って、2023年7月にAPPの下での再投資を停止する」とした。量的緩和策で膨らんだバランスシートの縮小に向け新たな一歩を踏み出すことになる。

ECBが2日示した第1・四半期の銀行貸出調査(BLS)と3月の融資統計によると、ユーロ圏では家計・企業の融資需要が減少する一方、銀行も与信が厳格化し、利上げが経済に打撃を与えていることが改めて浮き彫りになった。

また、第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増と、市場予想の0.2%増を下回り、今回の理事会で利上げ幅を縮小する根拠になったとみられる。