日本銀行が6月15、16日に開いた金融政策決定会合では、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)について、将来の出口局面での急激な金利変動の回避や市場機能の改善、市場との対話の円滑化などを踏まえると、「コストが大きい。早い段階で、その扱いの見直しを検討すべきである」との意見が出た。「主な意見」を26日に公表した。

他の「主な意見」

  • 先行きの物価見通しなどを踏まえると、現在の緩和継続が適当
  • 現在の緩和継続を通じ、賃上げのモメンタムを支え続けることが重要
  • 中小企業の賃上げ・投資意欲に水を差すような政策修正は時期尚早
  • 拙速な政策転換で目標達成の機会を逃すリスクは大きい
  • 物価上昇の持続性を過小評価している可能性も否定できない
  • 利回り曲線のゆがみ解消が進み市場機能も改善、YCC見直し必要ない
  • 物価目標実現の可能性高まりつつあるが、待つことのコスト大きくない

  6月会合では、YCCを軸とした現行の大規模な金融緩和政策の継続を全員一致で決めた。植田和男総裁は会合後の記者会見で、消費者物価の先行きについての不確実性は極めて高いとしつつ、足元ではプラス幅の縮小ペースが「思っていたよりもやや遅い」との認識を示した。

  物価が日銀の想定よりも上振れて推移している中、市場では、日銀が新たな経済・物価見通しを示す次回の7月末の会合で、YCC政策の見直しなど金融緩和の修正に動くとの見方がくすぶっている。

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