先週はいろいろなことが起こった。もちろん個人的なことではない。関心を持って見守っているメディア業界の動きだ。きっかけは26日、水曜日。YouTubeで翌日発売の週刊文春に木原騒動第4弾が掲載されることを知る。27日早朝、いつもの通りネットでニュースを検索。未明にFOMCが0.25%の利上げを実施したことを知る。想定通りの展開で驚きはない。むしろパウエルFRB議長の発言にインフレがピークアウトに近づいているとの印象を受ける。そのあとちょっとした雑用をこなしてコンビニへ。問題の“木原騒動”第4弾が掲載されている週刊文春を購入。興奮しながら読み終える。この問題で週刊文春を購入するのは第1弾についで2冊目。事件の全貌ならびに文春の意図が朧げに見えてきた。この日はECBが0.25%の利上げを決定している。翌28日、日銀の金融政策決定会合でYCCの弾力運営が決定された。実質的には0.5%の金利引き上げ。FRB、ECBの2倍だ。岸田政権もざわめきはじめている。

28日午後。木原騒動に絡んで元警視庁捜査1課の刑事が記者会見を行う。総計18時間にわたって文春のインタビューに応じた人物だ。警視庁捜査1課殺人係、通称「サツイチ」に所属していた超有名刑事だそうだ。上司の命令で木原官房副長官の妻・X子さんの事情聴取を担当する。警視庁でピカイチの「落とし屋」、レジェンドとも紹介されている。この間、ビックモーター事件は街路樹に除草剤を噴霧した件がメディアで賑わうようになった。損保ジャパンの代理店だった事実が薄ぼんやりとメディアの片隅に掲載されはじめたのもこの週の後半だ。木原騒動の詳細はスペースの関係で省略する。この騒動の意味を考えながらネットでニュースを見ていたに過ぎないが、これらの事件はすべて水面下で繋がっているのではないか、ふと、そんな気がした。木原騒動を受けてこの1カ月近く、木原官房副長官の不在が続いている。時事通信によると、「岸田文雄首相の最側近である木原誠二官房副長官(53)が、約1カ月にわたり記者団の取材を避けている。それまで首相官邸を出入りする際に質問に答えていたが、正面玄関にほとんど姿を見せなくなった」(30日付)と報道している。

同氏は公務も果たせなくなっているのでは。28日の未明に日経新聞が「YCC弾力運営へ」とスッパ抜く。それまでの植田総裁発言からはあり得ない決定だ。この決定に木原官房長官不在の影が付きまとう。「影の総理」とまで言われる実力者の不在。邪推だがその間隙をついて日経と植田総裁が政策金利の実質0.5%引き上げを推進した。ビックモーター事件の本質は街路樹でも、ゴルフボールでもない。損保ジャパンと代理店契約があるビックモーターの不正な水増し請求だ。代理店契約の悪用だろう。木原騒動に絡んで露木警察庁長官は「証拠に事件性はない」と言わずもがなの発言をした。様々なニュースを眺めながら木原騒動の本質は何か、考えた。この国では「不都合な事実に」蓋をする習慣が支配層のあいだに定着している。「いつでも首を飛ばせるぞ」、これはレジェンドに対する木原氏の発言だ。明らかに権力による介入だ。それでも主要メディアは情けないほど動きが鈍い。