連日の猛暑でカラダ全体がふやけているような気がするうえに、脳みそが溶けてしまいそうな錯覚を覚える。そんな中で自民党衆議院議員である秋本真利氏の関連事務所に、東京地検特捜部が家宅捜索に入ったとのニュースを目にした。瞬間的に頭に浮かんだのは、岸田政権の先行き。マイナンバーカードの不手際で支持率が低下する中で、側近の木原官房副長官の事実上の職場離脱、そこに自民党女性局ご一行様の超豪華な海外研修旅行の実態も発覚。河野デジタル担当層の北欧視察も批判に晒される始末。追い討ちをかけるように持ち上がったが秋本議員の収賄疑惑だ。猛暑を煽るような疑惑の数々。岸田総理は先週末に会見を開いてマイナンバーカードを予定通り来秋に廃止する方針を確認したものの、「点検作業の結果次第では見直しも」と発言。相変わらず「遅くて、曖昧で、不透明」な政治手法を曝け出していた。数ある不祥事は「本人の説明責任」に委ねるいつものパターン。まるで政権が異臭を放ちはじめたようだ。
きのう埼玉県知事選挙の投票に行ってきた。勝敗は選挙前から決まっていたようなもの。現職の大野知事が再選を果たした。問題は23.76%という投票率。これまでの最低は2011年の同県知事選(24.89%)。今回これを下回り過去最低を更新した。地方政治の劣化は果てしなく続いている。埼玉県政に問題がないわけではない。現職に共産党と無所属が挑む選挙だったが、争点ははっきりせず盛り上がりの見られない選挙だった。それにしても有権者の4人に1人に満たない投票率で当選することに、選挙の意味があるのだろうか。選挙のたびに日本中で問われる疑問だ。低投票率は政治が弛緩している証拠だろう。自民党女性局の研修と称した超豪華外遊、地方政治だけではない。中央政治、いや、もっとはっきり言えば自民党そのものが「体をなさなくなっている」気がする。秋本議員の収賄疑惑は、脱炭素社会のキーワードである再生可能エネルギーに絡むものだ。洋上風力発電をはじめ再エネ開発業者には国から再エネ付加金が交付される。
総額は2兆円に達するといわれる。ここに利権が発生するのだ。贈賄側の「日本風力開発」にはまとまった付加金が交付される。この資金が政治家に還流する構造だ。三浦瑠麗氏の夫が起訴されたのもこの構造が背景にある。自民党は昔から利権に群がる政治集団でもある。いまだにこんなことをやっているのか?自民党はもはや国民政党でも国民政権でもない。単なる利権集団だ。そんな気がした。もう一つ気になることがある。「木原事件」で検察庁長官と警視庁の捜査1課長は、「事件性はない」と証拠も示さず強調した。再捜査を担当した警視庁の現場の警察官たちは「事件性あり」と証言している。警察権力は事実に目を瞑ろうとしているのではないか。秋本事件は財務省のリークがベースになっているとの情報がSNSで流れている。「遅くて、曖昧で、不透明」なのは岸田総理だけではなさそうだ。検察庁や財務省など官僚の中枢も限りなく黒に近い灰色にみえる。
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