ネットでは岸田総理が補正予算の成立直後に辞任するとの憶測が飛び交っている。事実かどうか、判断する材料はない。これが事実なら、大手新聞社やテレビ局など日本を代表する主要メディは毎日、何を伝えようとしているのだろうか。岸田総理の辞任表明と同時に、主要メディアに対する評価も瓦解するだろう。旧来からの主要メディアから、SNSを中心とした新興メディアへの人材の流出が続いている。YouTubeをベースに、ニュースを発信するフリーランスのユーチュウーバーが続出しているのだ。組織に所属するジャーナリストより、フリーランスで活動するジャーナリストの方が情報の量も質も圧倒的に優勢のような気がする。いつあってもおかしくない岸田総理の辞任劇。それはフリーランスと、組織に縛られる記者の情報格差をあからさまにするだろう。

朝日新聞OB佐藤章氏は先週、自分のYouTubeで「特ダネ」と銘打って岸田総理の辞任説を伝えた。簡単に要約すると岸田総理は補正予算成立直後に辞意を表明、後任は茂木幹事長で決まったというもの。ただ、岸田総理が辞任時期を先延ばしする可能性があり、その場合は来年度予算が成立した来春に辞任するという。この辞任劇を仕掛けているのは麻生副総理と財務省。後任選びは緊急対応として国会議員だけの投票で決めるという。当然のこととして自民党内にはこうした動きに反発する勢力もある。反発といても岸田辞任に反発しているわけではない。後任をめぐる対立が早くも党内で始まっているのだ。その中心は二階前幹事長と菅前総理の反主流派。2人はすでに対立候補として国民的人気の高い石破氏を推すことを決めているという。茂木・石破対立となれば、現在の情勢では石破氏が優勢だという。

党員・党友まで参加する本格的な総裁選挙になると、茂木氏はかなり不利なようだ。そこで麻生氏が狙うのが短期決戦。国会議員だけの投票で次期総理となる候補者を選出する方法だ。麻生氏はこれに掛けているという。だから補正予算成立直後に岸田氏に辞意を表明させるというのだ。そのための会談が今週予定されていると、佐藤氏は分析する。果たしてどうか。ありそうな話だ。自民党という政党のこれが政権を維持する秘策なのだろう。国民生活もウクライナやガザをめぐる国際情勢もない。北朝鮮による拉致被害者は誰が救出するのか。ここにあるのは権力を維持するためだけの党内闘争だ。自民党という政党の内実を暴くという意味では、非常にわかりやすい対立の構図だ。SNSが玉石混交であることは間違いない。とはいえ、これが事実だとしても、主要メディアは報道しないだろう。

wpX(ダブリューピーエックス)