師走も残り少なくなる中で、政局が大波乱の様相を強めている。メディアは疑惑解明と称して連日東京地検特捜部に取材攻勢をかけている。特ダネと称したスクープが紙面を賑わしている。もっとも新聞をとっていない私は、一面トップに仰々しい見出しでならぶ記事を見たわけではない。それでも9日に読売新聞が松野官房長官更迭というスクープをものすれば、翌日の朝日新聞は疑惑を持たれている安倍派の閣僚を一斉に更迭するとの見通し記事でやり返す。政治部、社会部入り乱れて主要メディは全社、記者を大量に投入し夜討ち・朝駆けの取材競争を繰り広げていることだろう。目に浮かぶようだ。取材のポイントは何か?当面は人事だろう。更迭はどこまで広がるのか。13日には臨時国会が閉幕する。これを受けて強制捜査が本格化する。東京地検特捜部は地方の検察から応援を求めており、その陣容は50人規模に達するとどこかのメディアが書いていた。

こうなると地検は軟弱な結論は出せないだろう。徹底的にやるだろう。いや徹底的にやるしかない。ここで仮に起訴見送りとか、起訴猶予といった腰くだけの結論を出したら、それこそ検察そのものに疑惑の目が向く。この際、徹底的に膿を出すべきだ。後手後手の岸田総理が不甲斐なくても、日本の政治は途切れることなく動いていく。岸田政権が倒れても、かつての宮沢内閣のように政権を手放すようなことになっても、大した問題ではない。不祥事を受けて岸田氏は派閥会長を辞めると表明した。宮沢政権に似てきた。派閥は奇しくも宮沢氏と同じ宏池会だ。同じことが2度起こるのかもしれない。いま安倍派が検察やメディア、有権者の“標的”になっている。安倍政権が長期化する中で、安倍派全体に“やりたいほうだい”的感覚が蔓延した、と批判する声がある。そうだと思う。だが、長期化したのは安倍政権だけではない。自民党政権そのものが長期化し、所属した議員が軒並み弛緩したのだ。

言葉をかえれば自民党は政治を私物化している。世襲だけではない。臭いものに蓋をし、表面的にはクリーンで国民に寄り添う政治家のふりをする。岸田総理の支持率はどうして上がらないのか。同じことをものの見事に演じているからだ。「言っていること」と「やっていること」に大きな乖離がある。政治不信の底が抜けた気がする。同じことを皆やっているのではないか。与党の政治家だけではない。野党も、官僚も、メディアも、学者や評論家も、ひょっとすると教育者もそうかもしれない。表と裏に乖離があるのだ。もちろん、そうではない人もいっぱいいる。だが権力に近い人ほど乖離が大きい。最近はそんな気がする。せめて裏表のない人生を歩みたい、嫌なものは嫌といい、ダメなものはダメと言う。きれいなものをみたら美しいと言える、頑張った人を褒め称え、困っている人、悩んでいる人がいたら、何もできないけど声をかけてあげる。そんな生活者でありたい。

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