中国国家統計局が17日発表した2023年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.2%増加した。アナリスト予想の5.3%増をわずかに下回ったが、第3・四半期の4.9%から加速した。23年通年の成長率は5.2%で、アナリスト予想と一致した。中国政府が設定した23年成長率目標(5%前後)を達成した。以上はロイターが昨日配信したニュースの書き出し。これをみて誰もが直感的に感じるだろう。「これはフェイクだ」。習近平の独裁国家中国、経済統計の改変などいともたやすくできるのだろう。さらにおかしいのは、発表前にこの数字がダボス会議で公表されたことだ。犯人は李強首相。価値観を共有する西側諸国だったら「情報漏洩」の罪に問われるだろう。だが、いまさら中国の統計にケチをつけても始まらない。

ゼロコロナ政策の撤回で一時国内消費が持ち直すかに見えた中国。最近は個人消費の不振に喘いでいる。個人消費が増えれば物価は上昇する。ところが物価はこのところマイナス圏で低迷。日本を見習ったわけではないだろうがデフレの脅威に晒されている。デフレが続く経済は悪循環に陥る。経済が成長しないのだから給料が払えない会社が続出する。以下は経済評論家の朝香豊氏が現代ビジネスに投稿した原稿からの引用。「昨年9月、山東省菏沢市の公立病院『第二人民医院』で、支払われていない8ヵ月分の給料を払ってくれと職員たちがデモ行進を行った」、「ゴミ清掃員の給料が止まり、清掃員のストライキで、街中に『ゴミの山』が出現した」、「天津の国営の路線バス会社は給料を6ヵ月支払っておらず、さらに会社が医療保険料の支払いもしていないせいで、運転手たちが医療保険の適応を受けることもできなくなっている。このため必要な薬などについても、各自が全額自費で買わなければならなくな  っている」。

このような事例は数え上げたらキリがない。消費の低迷や給料の未払いだけではない。GDPの3割強を占めるといわれる不動産不況は一向に改善する気配がみえない。「2022年から2023年前半までに、中国の不動産業は26万人の人員整理を行った。デジタル産業の技術職の給料は前年比12%減少し、デザイン職は18%減少した。電気自動車、バッテリー、太陽光発電、風力発電などの新経済分野の給料でさえ、前年比2.3%も下落している」。こんな状況でどうして中国のGDPが5%強も成長するのだろう。さらに気になるニュースがあった。ロイターが17日に配信した。「中国国有銀が対ロ制限措置強化と報道、ロシア側は見解示さず」(2024年1月17日午前 3:39)がそれ。中国の国有銀行がロシア顧客の資金調達に対する制限を強化するという内容だが、いまいちはっきりしない記事。続報を期待しているのだが、今のところ詳しい情報はない。フェイクが常態化した中国、いったい何処に向かおうとしているのだろう?

ロリポップ公式サイト