2023年のドル建ての名目国内総生産(GDP)は日本がドイツに抜かれ、世界4位に後退した。内閣府が23年のGDP速報値をドル換算したところ、日本は4兆2106億ドルで、ドイツは4兆4561億ドルだった。外国為替や物価などの要因で逆転された。

内閣府とドイツ連邦統計庁が発表した自国通貨建ての名目GDPを、内閣府が年間の平均の為替レートを用いてドル換算した。15日発表した日本の23年の名目GDPは591兆4820億円だった。

日本は1968年に国民総生産(GNP)で西ドイツ(当時)を抜いている。ドイツの経済規模を下回るのはおよそ半世紀ぶりとなる。日本は名目GDPで2010年に中国に抜かれ、世界2位から3位に転落していた。

日本の名目GDPは円安を背景にドル建てで目減りした。ドイツは物価高が押し上げている。

ドイツ経済は物価高がロシアのウクライナ侵攻以降長く続き、欧州中央銀行(ECB)の利上げもあって、23年は実質でマイナス成長と足元では振るわない。

一方で、自国通貨建てで長期の推移をみると、日本の伸びはドイツと比べて低く、日本経済の生産性の低さを映しているといえる。ドイツでは2000年代以降の労働市場改革が生産性を向上させ、ドイツ企業の競争力を高めている。

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