いま世界の国家指導者の間で「もしトラ」が話題になっているそうだ。「もしトラ」、それってなに?「もしもトランプ氏が大統領に再選されたら」、「どうする・・・」「どうなる・・・」そんな懸念や心配、杞憂を分かち合うことばのようだ。その典型的な例が分担金を負担しないNATO加盟国を「防衛しない」と強調した“もしトラ氏”の発言。バイデン大統領は早速「危険かつ非米国的なシグナルを世界に発した」と批判した。BBCによるとバイデン氏の言葉はもっと品がなかった。「ロシアの独裁者にへつらった大統領は歴史上1人もいない」と非難した上で、トランプ氏を「間抜けだ。恥ずべきだ。危険だ。非アメリカ的だ」とこき下ろした、と伝えている。分裂する米国を象徴するようなやりとりだ。われわれはこのやり取りから何を汲み取ればいいのだろうか。

トランプ氏の発言を再現してみよう。ロイターによると同氏は10日に開催した選挙集会で次のような発言をした。「過去に会談したNATOの主要加盟国の首脳から、もし同国が拠出金を払わず、かつロシアから攻撃を受けた場合に、米国が防衛してくれるかとの質問をされたと明かした。加盟国名には触れなかった。トランプ氏はこの首脳に、『私はあなた(の国)を防衛しない。逆に、彼ら(ロシア)に好きなようにするよう伝えるだろう』。拠出金は払わなければならないと回答したと話した」。大統領時代も同氏は同じような発言をしていた。その繰り返しに過ぎないように見えるのだが、NATO加盟国の首脳の間には動揺が広がったようだ。これを受けバイデン氏は上記のような「間抜け」発言をしたことになる。

今朝ニュースをみていたらNATOのストルテンベルグ事務総長の発言が記事になっていた。NATO加盟国には国内総生産(GDP)比2%の国防費を拠出するという目標が定められている。加盟国は現在31カ国。同事務総長によると、このうち18カ国が今年、この目標を達成する見通しだという。昨年は11カ国が目標を達成した。ちょっと増えたが、まだ13カ国が目標に届いていない。素人目にはビジネスマンであるトランプ氏はここを指摘しているに過ぎないようにみえる。だが、バイデン氏にはこれが「間抜け」に映るようだ。ちなみにドイツは今年、冷戦終結後初めて目標を達成する見込みだという。記事を読みながら、トランプ氏の言う「NATOの主要加盟国の首脳」とはドイツのメルケル氏ではないかと、ふっと思った。同時に間抜けとこき下ろすバイデン氏の背後にはDS(ディープ・ステート)が控えているのでは、あらぬ妄想が脳裏をかすめた。

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