米テキサス州の施設から打ち上げられるスペースXの大型宇宙船「スターシップ」=ロイター
スペースXが打ち上げた大型宇宙船「スターシップ」(スペースXの中継映像から)

 【ワシントン=冨山優介】実業家イーロン・マスク氏が率いる米スペースX社は14日午前9時25分(日本時間14日午後10時25分)、開発中の大型宇宙船「スターシップ」をテキサス州の施設から無人で打ち上げた。宇宙到達後、インド洋に着水する計画だったが、大気圏に再突入して数分後に通信が途絶えた。同社は「宇宙船は失われ、着水しなかった」と説明した。米テキサス州の施設から打ち上げられるスペースXの大型宇宙船「スターシップ」=ロイター

 スターシップは高さ50メートルで、同社のロケット「スーパーヘビー」に搭載した状態の高さは約120メートルに上る。米国主導の有人月探査「アルテミス計画」では、2026年に月の南極域へ宇宙飛行士を送る予定で、スターシップは有人の月面着陸船として使用される。

 同社は無人試験を続けていて、昨年4月の1回目では打ち上げ直後に機体が爆発した。昨年11月の2回目では高度100キロ・メートル超の宇宙空間到達後、通信が途絶した。3回目の今回も、宇宙空間への到達に成功。地球帰還には失敗したが、過去最長の約50分間にわたって安定した飛行を続けた。スペースXが打ち上げた大型宇宙船「スターシップ」(スペースXの中継映像から)

 マスク氏はX(旧ツイッター)に「スターシップは急速に進化している」と投稿し、実用化に向けて前進していることを強調した。