国際オリンピック委員会(IOC)は25日、ウクライナ侵攻に伴って国際スポーツ大会から排除されているロシアとベラルーシの選手の復帰を本格的に検討していくと発表した。これに対してウクライナが強く反発、フトツァイト青年スポーツ相が五輪をボイコットする可能性をフェイスブックで示唆した。ゼレンスキー大統領も27日、「ロシア選手の五輪出場を阻止するために国際的に働きかける」とビデオで表明した。ウクライナ戦争は東部ドンバスで熾烈な戦況が続いている。戦車など攻撃的な武器の供与に踏み切った西側、ロシアはミサイルによるインフラ攻撃を一段と強化している。戦争終息へ向けた道筋が見えない中で、ロシア選手のオリンピック参加問題が表面化してきた。国際社会が抱える戦争とスポーツ(平和)、是非はどっちか?

まずはウクライナの主張。ポドリャク大統領府長官顧問は先週末、IOCは「暴力、大量殺戮、破壊」を促進していると非難。この日(30日)は、ロシアが五輪に参加すれば、五輪という舞台で「大量殺戮を促進する」機会を与えることになると述べた。またクレバ外相も30日に以下のメッセージをツイッターに投稿した。「ロシアの五輪選手の多くが国防省に所属するスポーツクラブで競技するなど、軍とのつながりがある」。「軍隊は残虐行為を行い、人を殺し、レイプし、略奪を行っている。無知なIOCはこうした人たちに競技させようとしている」と。何の罪もない国民がロシアの無差別攻撃の犠牲になっているウクライナにしてみれば、ロシア選手の参加を容認しようとするIOCは許せないだろう。IOCがこうした声にどう答えるのか、聞きたいところだ。

ウクライナの非難に対してIOCは次のように回答している。「このような中傷的な発言を、IOCは最も強い言葉で拒否する」、こうした発言は「建設的な議論の土台にはなり得ない」。IOCの論拠はおそらく平和の祭典に政治的主張は持ち込ませないということだろう。だからロシア選手も国籍を示さず中立選手として登録し、参加を容認する。一見論理的だが、この論理はすでにズブズブに破綻している。平和の祭典である五輪そのものが国家をベースに成り立っている。金メダルの国別獲得競争がその最たるものだ。ロシアは国家としてドーピングを行ってきた。IOCに国家を排除する覚悟があるなら、ロシア選手を参加させる意味も理解できる。だが現実は国家の支援を受けない限り、五輪そのものが成り立たない。クレバ外相の発言を見るまでもなく、国家を離れた中立な選手がいるのだろうか。個人的な心情をあえていえば、ロシア選手は排除すべきだと思う。(※引用はすべてローター日本語版より)